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「やらせ」の政治経済学

発見から破綻まで

編著:後藤 玲子
編著:玉井 雅隆
編著:宮脇 昇

紙版

内容紹介

「やらせ」に関して、その発生原因やその「やらせ」が他に及ぼす影響に関し、分野横断的に多分野の研究者が行った研究の集大成。
「やらせ」の問題は国内政治、国際政治の双方に存在し、またその研究手法も政治分析、数量分析、国際政治理論分析や社会学釣手法による分析など、様々な手法を用いて分析を行うことが可能であるが、これまでに定量的・学術的な分析を実施した研究は他に存在しない。

目次

はじめに


 Ⅰ 「やらせ」の「発見」から「破綻」まで

第1章 「やらせ」の発見と演出の過程(宮脇 昇)
 1 やらせとは何か
 2 やらせの国内事例
 3 海外における事例
 4 やらせの成功条件
 5 やらせの構図

第2章 核不拡散レジームの虚構と現実──約束履行問題と核保有国の「嘘」と「偽善」(山本武彦)
 1 2015年NPT再検討会議の失敗
 2 核不拡散レジーム規範の矛盾
 3 核不拡散レジームの内実と核保有国の「嘘」
 4 国際政治における「約束履行」問題と核不拡散レジーム
 5 核不拡散レジームはなぜ崩壊しないのか
 6 いつまで続く核保有国の「嘘」と「偽善」

第3章 選挙とやらせと財政再建──英国・キャメロン政権と安倍政権の比較(上久保誠人)
 1 はじめに──キャメロン政権と安倍政権を比較する理由
 2 英国・キャメロン政権の緊縮財政政策(2010~2015年)
 3 日本・安倍政権の経済政策「アベノミクス」と財政健全化(2012~2014年)
 4 分析
 5 まとめ──選挙で国民に「期待」を問う日本、「成果」を問う英国


 Ⅱ 「やらせ」の演出

第4章 「やらせ」の経済社会学──どんなタイプの合理性に訴えようとしているか(後藤玲子)
 1 本人の同意と関与を伴うステージ設定
 2 ゴッフマン、フーコー、そしてセン
 3 問題関心と方法
 4 札幌市姉妹餓死事件
 5 個人の合理性と社会的選択
 6 福祉国家の死角
 7 むすびに代えて──誰がステージ設定に割り込むか

第5章 やらせの仕組み──プロレスでの欺き方から見た場合(近藤 敦)
 1 はじめに──本論のねらい
 2 プロレスにおけるやらせ
 3 プロレスの構造──トンプソンの議論から
 4 プロレスマスコミとプロレスファン
 5 やらせの成立条件──ひとつの仮説として
 6 おわりに──いくつかの補足


 Ⅲ 「不正」の政治過程

第6章 行政指導の効力に関する一考察──演出された介入か、介入の演出か(藤井禎介)
 1 行政指導という主題
 2 行政指導の効力──2つの説明
 3 行政指導の効力の類型化
 4 行政指導における「演出」

第7章 選挙制度がクライエンテリズムによる政策の歪みに与える影響──政策金融データによる分析(清水直樹)
 1 目的
 2 どのようにクライエンテリズムによる政策の歪みを測定するのか
 3 データの説明
 4 分析
 5 結論

第8章 選挙監視とウソ──CIS諸国と選挙監視の「虚言」と「受容」(玉井雅隆)
 1 問題の所在
 2 選挙監視と国際政治
 3 OSCE(欧州安全保障会議)選挙監視メカニズムの成立
 4 OSCE選挙監視メカニズムの実際
 5 ウィーンの東(East of Vienna)問題と選挙監視
 6 選挙監視と「やらせ」

第9章 地球環境政策における公約の後退(横田匡紀)
 1 問題の所在
 2 気候変動政策の国際的展開
 3 国内での検討
 4 考察
 5 総括と展望

おわりに
人名索引/事項索引

著者略歴

編著:後藤 玲子
2017年3月現在一橋大学経済研究所教授
編著:玉井 雅隆
2017年3月現在 立命館大学政策科学部講師
編著:宮脇 昇
2017年3月現在 立命館大学政策科学部教授

ISBN:9784623075614
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:200ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2017年03月
発売日:2017年04月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP