Minerva Library〈社会学〉 1
グローバル化時代の日本都市理論
鈴木栄太郎『都市社会学原理』を読み直す
編著:大谷 信介
編著:山下 祐介
編著:笹森 秀雄
内容紹介
今日的視点から都市社会学の古典を再検討
目次
序 章 社会学研究の再構築にむけて
1 今なぜ鈴木栄太郎『都市社会学原理』なのか
2 『都市社会学原理』の評価をめぐって
3 社会調査の積み重ねによる都市理論の構築
4 戦後70年の社会状況の激変と鈴木都市理論の再検討
5 社会学はいかに都市政策に問題提起すべきなのか
6 本書の構成
第Ⅰ部 鈴木栄太郎「都市社会学理論」の真髄(笹森秀雄)
第1章 鈴木栄太郎の人となり
1 鈴木栄太郎の生い立ち
2 岐阜時代
3 京城帝国大学へ
4 天賦の詩才と残された和歌
第2章 結節機関説立論の経緯と背景
──結節機関説はどのように誕生したのか
1 北大講義ノートと都市社会学
2 都市社会学研究への動機
3 聚落社会の概念に関する立論の経緯
4 紀要論文と講義案内容の比較分析
第3章 鈴木都市社会学の理論的支柱と二元的実証性
1 農村研究から都市研究への転換
2 前哨戦としての三つの論文
3 『原理』に対する学界の反応
4 鈴木都市社会学の理論的支柱
5 都市研究における二元的実証性
第Ⅱ部 グローバル社会における鈴木都市理論(大谷信介)
第4章 世界に誇れる「実証的社会学研究法」
──理論構築につながる社会調査の方法
1 理論構築につながる実証的社会学研究法
2 社会調査方法論的に注目される調査企画段階での工夫
3 着眼点の斬新さと社会学的センス
第5章 50年の歳月は「都市の骨格」をどう変えてきたか?
1 50年前に実施した都市社会調査の再調査
2 50年の歳月が示唆する都市理論に影響を与える要因
3 都市理論再構築に有効な「実証的都市研究法」
第6章 鈴木栄太郎が憂いていた「市町村合併政策」
1 「市」となる要件という法律の規定
2 鈴木栄太郎が行った「新市」の検証──土佐清水市の事例
3 地方自治法の「市となる要件」の問題点
4 行財政重視の市町村合併の結果
5 鈴木栄太郎が重視する「自然都市」と「市域決定の根拠となるもの」
第7章 グローバル社会における「実証的都市研究法」の再構築
──ヨーロッパ都市と結節機関説
1 ヨーロッパ都市に適用できない結節機関説
2 ヨーロッパの都市の歴史と「城壁」の存在
3 「城壁」がヨーロッパの都市に与えた影響
4 世界に普遍的な「実証的都市研究法」の再構築
第Ⅲ部 21世紀の村落・都市・国民社会論にむけて(山下祐介)
第8章 鈴木社会学と聚落社会論をめぐって
1 方法論的ナショナリズムと聚落社会論
2 時間の中の正常──持続可能性論としての鈴木社会学
3 聚落社会と社会的統一──村の精神と結節機関説
4 都市の地域的社会的統一と国民国家
5 21世紀における再評価へ
第9章 結節機関説の導出と弘前駅前調査
──調査から半世紀後の検証
1 結節機関説の導出と青森調査──三つの研究
2 1955年弘前駅前調査と駅前空間
3 2009年再調査の結果と比較──どこから来て、弘前のどこに行くのか
4 2009年再調査の結果と比較──弘前から、どこに行くのか
5 駅前空間を利用する人々
第10章 結節機関説の継承と展開
──青森県内機関調査から考える21世紀都市
1 結節機関説と国民社会学をめぐる問題
2 昭和30年青森県内機関調査とその50年後
3 50年間の結節機関の変容──『東奥年鑑』昭和32年、平成22年の比較から
4 農山村の変容と都市との関係性──西目屋村調査から
5 都市の機能とその変化──調査地の空間的再検討から見えるもの
6 グローバル化の中の都市と国家
資料編 リーディングス・鈴木栄太郎『都市社会学原理』(抄録)
あとがき
索 引
ISBN:9784623074914
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:400ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2015年12月
。発売日:2015年12月31日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB。