Minerva歴史・文化ライブラリー 27
ブロンテ姉妹と15人の男たちの肖像
作家をめぐる人間ドラマ
編著:岩上 はる子
編著:惣谷 美智子
内容紹介
姉妹の生きざまを追い求めるユニークな書
目次
はしがき
第Ⅰ部 姉妹を取りまく男たち
第1章 パトリック・ブロンテ(奥村真紀)
──「厳格な父」の神話
1 エリザベス・ギャスケル著『シャーロット・ブロンテの生涯』──神話の誕生
2 努力家、社会活動家、そしてリベラリスト──神話と実像のはざまで
3 社会的・文学的存在として──神話の終焉
第2章 ブランウェル・ブロンテ(廣野由美子)
──一家の希望の星、あるいは敗北者
1 転落への道
2 ブランウェルとシャーロット
3 小説家の誕生
第3章 コンスタンタン・エジェ(木村晶子)
──妻子あるカリスマ教師
1 秘められた恋
2 エジェの経歴
3 教師としてのエジェ
4 シャーロットの文学とエジェ
5 不倫の恋の相手としてのエジェ
第4章 スミス・エルダー社主ジョージ・スミス(岩上はる子)
──出版界の貴公子
1 出会い
2 進 展
3 書けない苦しみ
4 『ヴィレット』をめぐって
第5章 アーサー・ベル・ニコルズ(江崎*麻里)
──シャーロットの大切な「いい人」
1 確かに「いい人」だと思うわ
2 あんなに「いい人」をいじめるなんて
3 わたしの大切な「いい人」
4 「いい子」になりたい
第6章 G・H・ルイス(谷田恵司)
──「尊敬の念」と「悔しさ」と
1 ルイスの影響
2 ルイスの事情
3 女の文学
4 「悔しさ」の量は?
第7章 W・M・サッカレー(新野 緑)
──自伝性と匿名性をめぐって
1 「知の巨人」サッカレー
2 響き合う履歴
3 匿名性の表すもの
第Ⅱ部 作品に息づく男たち
第8章 チャールズ・ウェルズリー 『習作』(馬渕恵里)
──うら若き作家のアイデンティティ
1 グラスタウン物語の形成とチャールズの登場
2 バイロニック・ヒーローをめぐるチャールズの語り
3 ファンタジーから現実へ
4 アングリアからの旅立ち、チャールズとの別れ──子どもの作家から大人の作家へ
第9章 エドワード・ロチェスター 『ジェイン・エア』(永井容子)
──(再)形成されてきた魅惑的人物
1 不完全であるがゆえの人間の魅力
2 眼差しの先にあるもの
3 ロチェスター像の変遷
4 ロチェスター像の潜在的な可能性
第10章 シン・ジョン・リヴァーズ 『ジェイン・エア』(市川千恵子)
──ミッショナリーの欲望の深層
1 シン・ジョンはジェインのダブルか?
2 磁場としての帝国
3 帝国のドメスティシティ
4 「栄光」という幻想──男性性の構築と信仰
5 自己犠牲的奉仕の美化、そして不安
第11章 ヒースクリフ 『嵐が丘』(鵜飼信光)
──その「男」を考える
1 所有欲と理解を超える非人間性
2 キャサリンとヒースクリフ
3 イザベラとヒースクリフ
4 二代目キャサリン、ヘアトンとヒースクリフ
第12章 エドガー・リントン 『嵐が丘』(中尾真理)
──書斎の紳士
1 エドガー・リントン──人物像とその役割
2 『嵐が丘』の構造と「書斎」の位置
3 啓蒙のテーマ──書物による闘い
4 「書斎」が象徴するもの
第13章 ヒンドリー・アーンショー 『嵐が丘』(山内理惠)
──内なるアウトサイダー
1 従来の読み方
2 アウトサイダーとしてのヒンドリー
3 ヒンドリーの人物像
4 ヒンドリーとは誰か
第14章 ポール・エマニュエル 『ヴィレット』(惣谷美智子)
──第三の「ロマンティック・ヒーロー」
1 大文字ヒーロー、小文字ヒーロー
2 揺らぎのなかのヒーロー像──ポール・エマニュエル
3 ロマンティック・ヒーロー──その誕生と失墜
4 ロマンティック・ヒーロー──「手の届かぬ者」であれかし
第15章 アーサー・ハンティンドン『ワイルドフェル館の住人』(植松みどり)
──英国紳士の言い分
1 小説家の真実
2 結婚──妻と夫
3 19世紀の現実──結婚とそのあと
あとがき
索 引
ISBN:9784623074167
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:4-6
。ページ数:356ページ
。定価:3800円(本体)
。発行年月日:2015年09月
。発売日:2015年09月20日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB。