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新・Minerva福祉ライブラリー 24

自殺をケアするということ

「弱さ」へのまなざしからみえるもの

編著:木原 活信
編著:引土 絵未

紙版

内容紹介

「自殺」問題への多視点からのアプローチ

目次

はじめに

 第Ⅰ部 自死遺族当事者と「弱さ」へのまなざし
第1章 父を自殺で亡くして
    ――「普通の家庭」を手放し、「弱さ」を受け入れるまで
 1 父の物語
 2 私の物語
 3 「弱さ」を受け入れる

第2章 グリーフを抱えて生きる
    ――「弱さ」を出せる「強さ」
 1 母の死
 2 私のグリーフ
 3 グリーフから希望を紡ぐ

 第Ⅱ部 自死遺族が抱える「弱さ」へのまなざし
第3章 多重喪失体験からみた「強さ」と「弱さ」
 1 臨床心理学からみた「弱さ」
 2 事例:Aさん――元に戻らない傷を抱えて
 3 事例:Bさん――揺り戻される死別体験と「こたえ」なき喪失の物語
 4 事例:Cさん――多重喪失による悲嘆の複雑化
 5 遺族が抱える「強さ」とわれわれが抱える「弱さ」

第4章 自死遺族にふりかかる困難と支援上の留意点
 1 自殺という言葉を自死に置き換える動きへの建設的反論の試み
 2 自死遺族支援施策を実施する際に活用可能な近年の文献
 3 自死遺族にふりかかる困難とは

 第Ⅲ部 自殺に向き合う援助者と「弱さ」へのまなざし
第5章 自殺に向き合うソーシャルワーク
 1 勤労者の自殺予防介入――B氏の事例を通して
 2 勤労者のメンタルヘルスへの意識――B氏の語りを通して
 3 対人援助職としての消耗と痛み――私の物語
 4 対人援助職の自殺

第6章 援助者が自殺で患者を喪うということ
 1 患者の自殺が援助者に及ぼす影響
 2 患者の自殺・自殺企図に遭遇した援助者が体験したこと
 3 患者を自殺で喪った援助者のグリーフ
 4 患者を自殺で喪った援助者のケア

第7章 自殺予防におけるソーシャルワークの視点
 1 実態調査からみえてきたもの
 2 本人にとってのつながり
 3 援助者のつながり

 第Ⅳ部 社会における「弱さ」へのまなざし
第8章 大学生の自殺にみる「弱さ」と「強さ」
 1 わが国における自殺問題の展開
 2 見えにくい大学生の自殺問題
 3 調査からみる大学生の「弱さ」と「強さ」
 4 大学生に向けた自殺予防
 コラム1 韓国にみる若者の自殺対策としての「Love Life While Walking Overnight大会」に参加して

第9章 「アルコールとうつ・自殺 死のトライアングル」にみる「語り」
 1 自殺とアルコール問題
 2 「死のトライアングル」の背景
 3 「死のトライアングル」からの脱却
 4 私たち家族と「物語」

 第Ⅳ部 スピリチュアリティと「弱さ」へのまなざし
第10章 スピリチュアルペインと創造的弱さ
 1 生きる意味を求めて
 2 スピリチュアルペインとは何か
 3 スピリチュアルペインとその変容

第11章 キリスト教にみる自殺予防対策の可能性
 1 キリスト教における「生命」および「死」の概念
 2 キリスト教と自殺
 3 聖書に表れている自殺者とその類型
 4 キリスト教の教えから得られる自殺予防対策
 コラム2 仏教における自殺対策

おわりに
索 引

著者略歴

編著:木原 活信
2015年6月現在 同志社大学社会学部教授
編著:引土 絵未
2015年6月現在国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部外来研究員(日本学術振興会特別研究員RPD)。

ISBN:9784623072958
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:216ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2015年06月
発売日:2015年06月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF