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「関係」からみる乳幼児期の自閉症スペクトラム

「甘え」のアンビヴァレンスに焦点を当てて

著:小林 隆児

紙版

内容紹介

多くの母子の相互作用の観察事例をもとに考察

目次

はじめに――本書の目的

第1章 研究方法と研究対象
 1.母子観察の物理的環境
 2.母子観察の枠組み
 3.「アタッチメント」研究に孕まれた問題
 4.母子関係の観察について
   ――「甘え」の視点から捉えることの意義
 5.母子関係の様相をいかに記述するか
 6.「主観」の世界を積極的に取り上げることの意義  
    ――〈主観—客観〉図式への囚われからいかに脱皮するか
 7.非言語的,情動的世界での「甘え」にまつわる言動を捉えることを可能にしているものは何か
 8.研究対象

第2章 0歳台(乳児期)の子どもの母子関係
 1.対象55例にみられた乳児期の特徴
 2.直接観察した乳児

第3章 1歳台の子どもの母子関係
 1.SSPからみた母子関係の様相
 2.1歳台にみられる「甘え」にまつわる母子関係の様相

第4章 2歳台の子どもの母子関係
 1.SSPからみた母子関係の様相
 2.2歳台にみられる「アンビヴァレンス」の様相

第5章 3歳台以降の子どもの母子関係
 1.SSPからみた母子関係の様相
 2.3歳台以降にみられる「アンビヴァレンス」の様相

第6章 関係介入によって母子関係はどのように変わるか
    ——「アンビヴァレンス」の世代間伝達を断ち切る

第7章 「関係」からみることによって自閉症スペクトラムの理解はどう変わるか
 1.自閉症スペクトラム研究における本研究の独創性
 2.0歳台(乳児期)における母親に対する回避的反応と「アンビヴァレンス」の萌芽的段階
 3.1歳台にみられる「アンビヴァレンス」の表現型の原初的形態
 4.「甘えたくても甘えられない」心的状態の子どもはそれにどう対処するか
 5.「アンビヴァレンス」によって生まれる不安への多様な対処行動
 6.行動上の病理現象を対処行動として捉えることの重要性
 7.「関係障碍」という視点の持つ意義
   ――母親の関与も子どもの行動によって引き起こされる
 8.母子関係のズレは何に起因するか
 9.日常語で理解することの大切さ

今後の展望――あとがきに代えて
文 献

著者略歴

著:小林 隆児
*2017年4月現 在 西南学院大学人間科学部社会福祉学科/大学院人間科学研究科臨床心理学専攻 教授

ISBN:9784623069699
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:260ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2014年02月
発売日:2014年02月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ