現代環境思想論
〈環境社会〉から〈緑の社会〉へ
著:松野 弘
内容紹介
環境危機を救う制度改革に繋げる理解を目指す
目次
推薦のことば
(松下和夫/A. モル/R. エッカースレイ)
Summary
序 文 「現代環境思想」とは何か
——地球環境危機と環境思想の役割
第1章 環境問題と思想の役割
——思想的アプローチへの視点と位置
1 環境思想の歴史的変容と現代的位置
2 「思想」とは何か
3 環境思想の意味と役割:思想的アプロ−チの意義と有効性
第2章 近代産業社会の登場と社会的影響
——自然破壊と「大量生産—大量消費」型の近代産業社会の誕生
1 産業革命の功罪:「社会発展思想」の影響と課題
2 近代化と初期産業社会の役割:初期産業主義思想としての「競争原理」と「優勝劣敗」
3 産業社会のシステム化と中期産業社会の登場:「フォーディズム」と「脱フォーディズム」の世界
4 中期産業主義思想の展開
5 近代産業社会の高度化と後期産業社会への発展
第3章 近代産業社会とそのディレンマ
——「経済開発」か、「環境保護」か
1 「ヘッチヘッチ論争」とは何か:「環境保全主義思想」と「環境保存主義思想」の対立
2 「成長の限界」論と環境問題への影響:「批判」と「対応」
第4章 「環境思想」の出現と変容
——対抗思想としての環境思想
1 「環境思想」の歴史的展開:生成と変容
2 初期環境思想⑴:伝統的環境思想の浸透(18〜19世紀)
3 初期環境思想⑵:近代環境思想の登場(19〜20世紀)
4 中期環境思想⑴:現代環境主義思想の萌芽(1960〜1970年代)
5 中期環境思想⑵:ラディカル環境主義思想の出現(1970〜1980年代)
6 後期環境思想⑴:環境主義思想の政治化(1980〜1990年代)
7 後期環境思想⑵:環境主義思想の緑化(1990〜2000年代)
8 後期環境思想⑶:制度変革のための環境思想への転換——「環境思想」から「緑の思想」へ(2000年以降)
第5章 「現代環境思想」の五つの潮流
——視点・考え方・課題
1 「環境思想」の現代的な視点と潮流
2 「人間と自然との関係」を変革していくための思想⑴:「ディープ・エコロジー」論の視点・考え方・課題
3 「人間と自然との関係」を変革していくための思想⑵:「自然の権利」論の視点・考え方・課題
4 「人間と自然との関係」を変革していくための思想⑶:「環境的正義」論の視点・考え方・課題
5 産業主義思想のエコロジー化:「持続可能な発展(開発)」論と「エコロジー的近代化」論
6 社会制度を変革していくための思想:「ラディカル・エコロジー」論の視点・考え方・課題
第6章 「現代環境思想論」の視点と考え方
1 「現代環境思想論」の視点と方向性
2 「環境政治思想」の視点と考え方:政治思想のエコロジー化
3 「環境経済思想」の視点と考え方:経済思想のエコロジー化
4 「環境文化思想」とは何か:文化のエコロジー化
5 「環境法思想」の視点と考え方:「自然の権利」の役割
6 「環境政策思想」の視点と考え方:政策のエコロジー化
第7章 「現代環境思想論」の位置と方向性
1 環境思想の源泉と位置
2 転換期の環境思想への視点と課題:現代環境思想の構成要素と考え方
3 現代環境思想の位相と方向性
4 「持続可能な社会」への政策転換(事例研究):スウェーデンにみる「緑の福祉国家」への視点と戦略
第8章 〈エコロジー的に持続可能な社会〉のための国家構想
——「緑の国家」論の視点・思想・方法論
1 〈エコロジー的に持続可能な社会〉への視点と方向性
2 「緑の国家」論の思想的構想:緑の政治思想の萌芽
3 「緑の国家」論の制度的構想:視点と考え方
終わりにかえて——現代環境思想のゆくえ
引用・参考文献一覧
あとがき
人名索引
事項索引
ISBN:9784623067510
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:312ページ
。定価:3500円(本体)
。発行年月日:2014年06月
。発売日:2014年06月05日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ。