東日本大震災と社会学
大災害を生み出した社会
編著:田中 重好
編著:舩橋 晴俊
編著:正村 俊之
内容紹介
大震災に社会学が発信できることはなにか
目次
はじめに
序 章 大震災が突きつけた問い(田中重好・正村俊之・舩橋晴俊)
1 大災害が日本社会に突きつけた問い
2 本書の構成
3 ハザードとしての東北太平洋沖大地震
4 被害状況
第Ⅰ部 被災の現場からの社会学
第1章 広域システム災害と主体性への問い(山下祐介)
――中心−周辺関係をふまえて
1 東日本大震災の衝撃と現実
2 この震災をどう特徴付けるか?
3 主体性の問いへ−−序章としての東日本大震災
第2章 地域コミュニティの虚と実(吉原直樹)
――避難行動および避難所からみえてきたもの
1 東北6都市の町内会調査結果から
2 三層からなる避難者
3 「あるけど,なかった」地域コミュニティ
4 Aさんの「あのとき」,そして「いま」−−聞き書きより
5 「あるけど,なかった」状況をもたらした諸要因
6 地域に埋め込まれたディバイド
7 地域コミュニティの再生は可能か?
8 「ない」ことからの出発
第3章 東日本大震災における市民の力と復興(関 嘉寛)
――阪神淡路大震災/新潟県中越地震後との比較
1 東日本大震災におけるボランティア
2 災害ボランティアとはどのような存在なのか
3 救援・復興期における災害ボランティア
4 復興における災害ボランティアの役割と課題
5 東日本大震災と災害ボランティア−−これまでとこれから
第4章 千年災禍の所有とコントロール(金菱 清)
――原発と津波をめぐる漁山村の論理から
1 災害のリスクに対処するためのコミュニティの可能性
2 「計画的避難区域」に戻るための山村の論理
3 「水産業復興特区」に対抗する漁村の論理
4 災害をコントロールする
第Ⅱ部 原発事故と原子力政策
第5章 福島原発震災の制度的・政策的欠陥(舩橋晴俊)
――多重防護の破綻という視点
1 福島原発震災の発生・進行経過とその前提としての技術的欠陥
2 社会的多重防護の破綻の背景としての主体・アリーナ連関
3 原子力複合体のもとで,社会的多重防護はなぜ破綻するのか
4 日本社会の人間関係と主体性の質
5 エネルギー政策の転換のために,どのような社会変革が必要なのか
第6章 何が「デモのある社会」をつくるのか(平林祐子)
――ポスト3.11のアクティヴィズムとメディア
1 2011年,東京はなぜデモのある町になったのか
2 「これはやっとかないとまずいでしょ」
3 新しい人びと,新しいメディア−−3.11後の東京の反原発
4 新しいメディアが変えた動員の手法と運動の概念
5 「デモのある社会」の作法
第7章 フクシマは世界を救えるか(長谷川公一)
――脱原子力社会に向かう世界史的転換へ
1 フクシマは世界を救えるか
2 福島原発事故の衝撃
3 ドイツはなぜ脱原子力政策に転換できたのか
4 危機からの再生
第Ⅲ部 大震災への社会学からの接近
第8章 リスク社会論の視点からみた東日本大震災(正村俊之)
――日本社会の3つの位相
1 問われる日本社会
2 リスク社会論の再構成
3 近代社会としての位相
4 特殊日本社会としての位相
5 現代社会としての位相
6 危機管理体制の構築に向けて
第9章 不透明な未来への不確実な対応の持続と増幅(加藤眞義_
――「東日本大震災」後の福島の事例
1 「東日本大震災」が福島にもたらした被害の性格
2 被災・避難の特徴と避難区域・地域の指定
3 コミュニケーションの問題
4 今後の課題として
第10章 「想定外」の社会学(田中重好)
1 津波はなぜ多くの死者をもたらしたのか
2 社会学から災害をどう捉えるか
3 東日本大震災と「想定外」
4 「想定外」の社会学的考察
5 再び,東日本大震災へ−−「想定外」と今後の防災対策
おわりに
索 引
ISBN:9784623065066
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:364ページ
。定価:6000円(本体)
。発行年月日:2013年03月
。発売日:2013年03月11日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS。