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残された時間

脳外科医マーシュ、がんと生きる

著:ヘンリー・マーシュ
訳:小田嶋由美子
監:仲野徹

紙版

内容紹介

〈死は、遅かれ早かれ、どんな形であれ、すべての人に訪れるし、それは人生の一部であるが、生きつづけたいという私の願いは、「一目惚れ」のように圧倒的で決定的なものなのだ〉
NHSのフルタイムの仕事を引退し、悠々自適な暮らしを送っていたマーシュはある日、進行性前立腺がんと診断される。
赤裸々な死への恐怖を告白し、病気を理解することで恐怖を乗り越えようとしては挫折する、「患者となった脳外科医」の日々。がんの検査から治療のプロセスの描写に自らの医師としての経験から得た知識、さらには睡眠科学や進化人類学、量子力学に至るまでの該博な知識が織り込まれる。
いやおうなく頭をよぎる患者たちや両親の最後、そして自らに残された時間――。死のすぐそばで働きつづけ、数えきれないほどの死を見届けてきた脳外科医マーシュの、最後のメッセージ。

目次

第一部 否認
第二部 治療的破局化
第三部 いつまでも幸せに

あとがき
謝辞
解説(仲野徹)

著者略歴

著:ヘンリー・マーシュ
(Henry Marsh)
脳神経外科医、作家。2010年に大英帝国勲章を授与された。2015年にNHSでのフルタイムの仕事を引退してからは海外での活動や講演を続けている。人類学者のケイト・フォックスと結婚し、ロンドンとオックスフォードに在住。著書にDo No Harm: Stories of Life、 Death and Brain Surgery(Weidenfeld & Nicolson;『脳外科医マーシュの告白』NHK出版)Admissions: A Life in Brain Surgery(Weidenfeld & Nicolson;『医師が死を語るとき』みすず書房)がある。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
訳:小田嶋由美子
(おだじま・ゆみこ)
翻訳家。明治大学大学院法学研究科修了。訳書にヤング『インターネット中毒』(毎日新聞社)アング『デジタル写真大事典』(共訳 エムピーシー)ガワンデ『予期せぬ瞬間』(共訳)ウェスタビー『鼓動が止まるとき』プリスビロー『意識と感覚のない世界』コセフ『ネット企業はなぜ免責されるのか』ラーソン『ワクチンの噂』フィッシャー『依存症と人類』(以上みすず書房)他多数。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
監:仲野徹
(なかの・とおる)
大阪生まれ。大阪大学医学部医学科卒業後、内科医から研究の道へ。ドイツ留学、京都大学医学部講師、大阪大学微生物病研究所教授を経て、2004年から大阪大学大学院医学系研究科病理学教授。2022年退官。2012年、日本医師会医学賞受賞。著書に『エピジェネティクス』(岩波新書)『こわいもの知らずの病理学講義』(晶文社)『仲野教授の笑う門には病なし!』(ミシマ社)『考える、書く、伝える 生きぬくための科学的思考法』(講談社+α新書)他多数。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

ISBN:9784622096924
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:248ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2024年04月
発売日:2024年04月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VF