出版社を探す

救い

原案:ベッピ・キュッパーニ
訳:中嶋浩郎

紙版

内容紹介

「何が起こったのかまったく知られていなかった。宣教師たちの手紙はどれも寡黙だったし、それを否定できたかもしれない数少ない文書は削除され、あるいは失われてしまった。確実に知られていたのは、ヨーロッパ人が日本で茶の湯という不可解な儀式を発見したということだ」。

時は1579年(天正7年)。大航海時代のイエズス会宣教師アレッサンドロ・ヴァリニャーノと東方貿易商人のアルヴィーゼ・モーロ。戦国時代の日本にたどり着いた二人のイタリア人の思惑と行動が、西洋(キリスト教)と東洋(茶の湯、禅仏教)の最初の出会い、そしてその後の断絶をもたらした。大友宗麟や高山右近といったキリシタン大名をはじめ、織田信長、千利休、豊臣秀吉との息詰まる交渉も描く、壮大な歴史小説。

目次

第一の壺
一五七九年―一五八〇年

第二の壺
一五八〇年―一五八二年

第三の壺
一五八二年―一五八八年

第四の壺
一五九一年―一五九二年

小説について
訳者あとがき

著者略歴

原案:ベッピ・キュッパーニ
(Beppi Chiuppani)
人文学者、作家。1980年、ヴェネト州ヴィチェンツァ県バッサーノ・デル・グラッパに生まれる。パドヴァ大学卒。パリ、リスボンでヨーロッパのヒューマニズム文化を学び、カイロ(アメリカ大学)とダマスカス(フランス学院アラブ研究所)で中東の文学の伝統を研究。その後、シカゴ大学で比較文学の博士号を取得。著書に『中西部 Medio Occidente』(2014)、『私たちがアメリカに留学したとき Quando Studiavamo in America』(2016)、『ガスパロ――バロック的人生の小説 Gasparo, il romanzo di una vita barocca』(2019)がある。妻は漫画家、エッセイストのヤマザキマリ。
訳:中嶋浩郎
(なかじま・ひろお)
1951年、長野県松本市生まれ。東京大学教育学部卒。フィレンツェ大学留学。フィレンツェ大学講師を経て現在広島市在住。翻訳家。著書に『フィレンツェ、職人通り』(NTT出版)、『図説 メディチ家』(河出書房新社)など。訳書に『ルネサンスの画家ポントルモの日記』(白水社)、ステファノ・ベンニ『聖女チェレステ団の悪童』(集英社)、ジュンパ・ラヒリ『べつの言葉で』、『わたしのいるところ』(ともに新潮社)など。

ISBN:9784622096542
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:608ページ
定価:5000円(本体)
発行年月日:2023年09月
発売日:2023年09月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB