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カフカ素描集

原案:フランツ・カフカ
編:アンドレアス・キルヒャー
他解説:パーヴェル・シュミット

紙版

内容紹介

〈カフカの遺品のうち、まさに素描のほとんどが含まれている部分が、何十年にもわたってまったく手の届かない状態に置かれていた。そのひと束の紙が、カフカの創作の最後の偉大な未知数であったと言っても、決して過言ではない。〉
――「前書き」より

チューリッヒの金庫に保管されていた160点余の素描。2019年、没後百年を目前にしてようやく姿をあらわした、もうひとりの、画家カフカ。実物大、オールカラーで収録。

・10年余におよぶ係争の末、2019年に公表され、世界的な話題となったカフカの素描群。その全てを初めて出版。
・全素描に加え、関連する資料図版・詳細な解説を付し、絵を描くことに熱を上げていた当時のカフカを浮かび上がらせる。
・ユダヤ文学研究者アンドレアス・キルヒャーによる詳細な学術的解説。
・哲学者ジュディス・バトラーによる独創的な論考。
・芸術家パーヴェル・シュミットによる全作品目録。

目次

前書き――カフカの素描 来歴と現状
アンドレアス・キルヒャー[訳 高橋文子]

素描
1. 紙片に描かれた素描と小さな作品群 1901年‒1907年頃(No. 1‒84)
2. スケッチ帳(No. 85‒119)
3. 旅日記に描かれた素描 1911年‒1912年(No. 120‒125)
4. 書簡中の素描 1909年‒1921年(No. 126‒136)
5. 日記とメモ帳の素描 1909年‒1924年(No. 137‒146)
6. 模様やオーナメントのある手稿 1913年‒1922年(No. 147‒163)

カフカにおける描くことと書くこと
アンドレアス・キルヒャー[訳 高橋文子]

「なんという地面、なんという壁だったことか!」――カフカの身体的生のスケッチ
ジュディス・バトラー[訳 清水知子]

解説付き作品目録
パーヴェル・シュミット[訳 高橋文子]


図版クレジット

著者略歴

原案:フランツ・カフカ
(Franz Kafka)
1883-1924。小説家。オーストリア=ハンガリー帝国のプラハ(現在はチェコ)のユダヤ人の家庭に生まれる。法律を学んだのち労災保険局に勤めながら作品を執筆。著作は数編の長編小説と多数の短編、日記および恋人などに宛てた膨大な量の手紙から成る。生前に『変身』など数冊の作品が出版されたが、ごく限られた範囲で知られるのみだった。死後、中断された長編『審判』『城』『失踪者』をはじめとする遺稿が友人マックス・ブロートの編集により発表され、世界的な評価をうけた。今日では20世紀の文学を代表する作家と見なされている。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
編:アンドレアス・キルヒャー
(Andreas Kilcher)
1963年バーゼル(スイス)に生まれる。専門は、ユダヤ文学・文化史、カバラ研究。バーゼルとミュンヒェンでドイツ文学・歴史・哲学を専攻。現在、チューリッヒ工科大学文学・文化学教授。著書・編書にSuhrkamp出版社(ドイツ)の伝記シリーズ『カフカ』『マックス・フリッシュ』、『エルゼ・ラスカー=シューラー全集』など。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
他解説:パーヴェル・シュミット
(Pavel Schmidt)
1956年ブラティスラバ(現在のスロバキア)に生まれ、スイスに移住。画家・彫刻家、詩人。ヨーロッパ各国を旅しながら創作を行う。カフカにインスパイアされた作品も制作している。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

ISBN:9784622096061
出版社:みすず書房
判型:A4変
ページ数:344ページ
定価:13000円(本体)
発行年月日:2023年10月
発売日:2023年10月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1D