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獄中からの手紙〔新装版〕

ゾフィー・リープクネヒトへ

著:ローザ・ルクセンブルク
編:大島 かおり

紙版

内容紹介

「およそ人間的なもの、そして女性的なものも、わたしにとって何ひとつ縁遠いものでも、どうでもいいものでもありません」
「昨日は言葉では描きようのない魔術が万物のうえで繰り広げられました。日没後おそくに、空は一面きらめくオパール色になって、そこになんとも言えない色の縞もようが塗りたくられたのです。それはまるで巨大なパレットさながらで、一日中仕事にうちこんでいた画家がこれでお終いにして休もうと、大きく腕を振りあげて筆の絵の具をパレットになすりつけたかのよう」

自然とののびやかな交感、文学や芸術を思う心、そして人間への、世界へのかぎりない愛。ポーランド出身の革命家・思想家が、獄中からゾフィー・リープクネヒトに宛てた朽ちることのない書簡35通(1916-1918)。

目次

はじめに
I ライプツィヒから
II ベルリンから
III ヴロンケから
IV ブレスラウから

訳者あとがき
動植物表

著者略歴

著:ローザ・ルクセンブルク
1871年3月5日、当時ロシア支配下にあったポーランドのザモシチに、同化ユダヤ人の商人の末娘として生まれる(1870年生まれの説もある)。高校時代より社会主義運動に加わり、18歳のとき、逮捕の危険を逃れてスイスへ亡命、チューリヒ大学で学びながらポーランドの運動のためにはたらき、学位取得後にドイツ市民権を取得してベルリンに移住。以後、本格的に政治活動・文筆活動をおこなう。1904年以降は幾度となく投獄されながらも、ドイツ社会民主主義陣営の政治理論家・革命家として活躍し、とくに第一次世界大戦が始まって社会民主党が戦争支持にまわってからは、党内最左派として反戦活動に力を注ぎ、そのため長い獄中生活を強いられる。ドイツ敗戦後の1918年11月に釈放された後、カール・リープクネヒトとともにスパルタクス団を再編し、機関紙Die Rote Fahne(『赤旗』)の編集長、1918年12月から1919年1月1日のドイツ共産党創設にあたってその中心メンバーとなる。それから二週間後の1919年1月15日、ベルリンでの争乱のさなか反革命軍によって虐殺された。
編:大島 かおり
1931-2018。東京女子大学文学部卒業。訳書 エンデ『モモ』(岩波書店)、ホフマン『黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ』『砂男/クレスピル顧問官』(光文社古典新訳文庫)のほか、みすず書房からはアーレント『全体主義の起原』2・3(共訳)『ラーエル・ファルンハーゲン――ドイツ・ロマン派のあるユダヤ女性の伝記』『アーレント=ハイデガー往復書簡 1925-1975』(共訳)、『アーレント=ヤスパース往復書簡 1926-1969』(全3巻)、アーレント『反ユダヤ主義——ユダヤ論集 1』『アイヒマン論争——ユダヤ論集 2』(共訳)、『アーレント=ブリュッヒャー往復書簡』(共訳)、ヤング=ブルーエル『ハンナ・アーレント――〈世界への愛〉の物語』(共訳)、フィールド『天皇の逝く国で』『祖母のくに』リンゲルブルム『ワルシャワ・ゲットー——捕囚1940-42のノート』スレーリ『肉のない日——あるパキスタンの物語』ルクセンブルク『獄中からの手紙——ゾフィー・リープクネヒトへ』ゴードン『ミシンと日本の近代——消費者の創出』などがある。

ISBN:9784622090113
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:184ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2021年04月
発売日:2021年04月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB