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ヴェイユの言葉(新装版)

著:シモーヌ・ヴェイユ
編:冨原 眞弓

紙版

内容紹介

愛着、嫉妬、競合、憎悪、無関心……人間同士の関係性を規定し、支配するものはなにか。人間の尊厳を奪い貶める不幸が、なぜこの世に存在するのか。純然な善たる神が、かくも無慈悲な必然に人間を向かわせるのはなぜなのか――
生前に一冊の著作として書きあげたものをほとんど持たないヴェイユ。ここに集められた断章の数々――折々に発表された記事、論考、書簡、カイエ(雑記帳)からの――は、その短く烈しい生涯のなかで、ヴェイユが感じ、考え、思考を醸成させていったさまを、いわば、なまのかたちで私たちの前にひろげみせてくれる。
読みの多層性をともない、つねに新たな層の発見とともに、世代を超えて手渡されてゆくであろう精選された断章の数々に、晩年に書かれた未完の戯曲『救われたヴェネツィア』からの抜粋、珠玉の詩篇も加え、シモーヌ・ヴェイユの言葉を一冊に。

目次

凡例
略号一覧

編訳者 序

I 自己と他者
II 神と必然
III 悪・不幸・十字架
IV 力と社会
V 正義と芸術

あとがき

著者略歴

著:シモーヌ・ヴェイユ
1909-1943。フランスの思想家。パリのユダヤ系中流家庭に生まれる。アンリ四世校でアランに師事し、パリ高等師範学校を卒業後、哲学教師として各地のリセで教鞭を執る。1934-35年、未熟練女工として工場で働き、労働者の不幸を体験。1936年、義勇軍兵士としてスペイン内戦こ参加する。1940年、ナチスのパリ占拠後マルセイユに移住し、古代ギリシア思想、キリスト教、カタリ派、道教、インドやエジプトなどの諸宗教、世界各地の民間伝承について思索した。1942年5月、両親とともに兄アンドレの待つニューヨークに亡命。11月、単身ロンドンに赴き、自由フランス軍の対独レジスタンス運動に加わる。1943年、ロンドン郊外のサナトリウムで死去。死後、アルべール・カミュによって12冊の著作がガリマール社のエスポワール選書から出版された。1988年より、同社『シモーヌ・ヴェーユ全集』全16巻刊行中。
編:冨原 眞弓
1954年生。パリ・ソルボンヌ大学大学院修了、哲学博士。聖心女子大学哲学科教授。著書に『シモーヌ・ヴェイユ 力の寓話』(青土社、2000)、『シモーヌ・ヴェイユ』(岩波書店、2002)、『トーヴェ・ヤンソンとガルムの世界』(青土社、2009)ほか。訳書に『中世思想原典集成〈15〉女性の神秘家』(監修、共訳、平凡社、2002)、ルクレール『キリスト教神秘思想史〈2〉中世の霊性』、コニェ『キリスト教神秘思想史〈3〉近代の霊性』(以上、共訳、平凡社、1997、98)、ヴェイユ『カイエ3』『カイエ4』『ギリシアの泉』『ヴェイユの言葉』『シモーヌ・ヴェイユ選集 I 初期論集:哲学修業』『シモーヌ・ヴェイユ選集 II 中期論集:労働・革命』『シモーヌ・ヴェイユ選集 III 後期論集:霊性・文明論』『工場日記』(以上、みすず書房、1992、95、98、2003、12、13、19)、『自由と社会的抑圧』『根をもつこと 上・下』(以上、岩波文庫、2005、10)、ヤンソン『トーベ・ヤンソン・コレクション』(全8巻)『島暮らしの記録』『旅のスケッチ』(以上、筑摩書房、1995-98、99、2014)ほか。

ISBN:9784622088608
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:304ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1DDF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 4:1DDN