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モンテーニュ エセー抄

新装版

著:ミシェル・ド・モンテーニュ
編訳:宮下 志朗

紙版

内容紹介

「読者よ、これは誠実な書物なのだ……わたし自身が、わたしの本の題材なのだ」(モンテーニュ)

「とりとめのなさというか、ややたががゆるんだようなところが、『エセー』のすばらしさだと映る。しかも、このとりとめのなさが、読後、煙のように消えてしまう性質のものかといえば、そんなことはない。いくつかの核のようなものが、読者の心の深いところに確実に宿る。そしてそれが、あるとき、ふっと浮かんできて、ああ、あの個所、どんな調子だったっけなどと、また読み直してみる気になる」(編訳者あとがき)

モンテーニュは、自分をはじめて見つめた人、人間が生きるための元気を鼓舞してくれる人である。「エッセイ」というジャンルの水源たる古典を、読みやすい新訳で。全巻の掉尾をかざる「経験について」ほか11章。

目次

読者に

悲しみについて
われわれの幸福は、死後でなければ判断してはならない
一方の得が、他方の損になる
みずからの名声は人に分配しないこと
匂いについて
年齢について
さまざまの書物について
われわれはなにも純粋に味わわない
なにごとにも季節がある

後悔について
経験について

著者略歴

編訳:宮下 志朗
1947年、東京生まれ。東京大学名誉教授。放送大学教養学部教授。1990年『本の都市リヨン』(晶文社)で大佛次郎賞受賞。ラブレー、モンテーニュからゾラ、バルザック、都市論まで、幅広くフランスの文学と文化を扱っている。著書『読書の首都パリ』(みすず書房、1998)『パリ歴史探偵術』(講談社現代新書、2002)『本を読むデモクラシー 〈読者大衆〉の出現』(刀水書房、2008)『カラー版 書物史への扉』(岩波書店、2016)ほか。ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』(全5巻、ちくま文庫)の訳業により、2013年度の読売文学賞(研究・翻訳部門)を受賞。訳書 グルニエ『ユリシーズの涙』(2000)『写真の秘密』(2011)『パリはわが町』(2016、以上みすず書房)『モンテーニュ エセー抄』(みすず書房、2003)モンテーニュ『エセー』(全7巻、白水社)ほか多数。

ISBN:9784622086550
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:264ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2017年09月
発売日:2017年09月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS