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エミリ・ディキンスン家のネズミ

新装版

著:エリザベス・スパイアーズ
絵:クレア・A・ニヴォラ
訳:長田 弘

紙版

内容紹介

白ネズミのエマラインがエミリの部屋の壁穴に越してきた。
ふたり(?)の密やかな〝文通″がはじまる。
「私は誰でもない!――あなたは誰?」とエミリ。
エマラインは、詩を書き、返事にした。
おどろいたことに、それはエミリに新たなインスピレーションをあたえる。誰にも会わず、どこへも出かけないこの詩人に……

エマラインの目を通して、19世紀アメリカの偉大な詩人の魅力あふれる世界が、私たちのまえに開かれる。エミリの詩12篇はすべて長田弘の新訳。エマラインの詩も7篇〝デビュー″。

「エミリ・ディンスンのように生きたとしか言えない、一個の生き方をつらぬいた人。そのようなあざやかな記憶をのこしている詩人です。
変わった人でした。ずぬけた人でした。おもしろい人でした。
小さなものたちに〝自分の共謀者仲間″をもとめたエミリ・ディキンスンの親しい秘密を、ディキンスン家に住む一ぴきの白ネズミの目を通して、切実なユーモアをにじませて書かれたのが、この本です。この本を澄ませているのは、小春日和のニューイングランドの澄んだ空気です」 ――長田弘「訳者あとがき」より

目次

エミリ・ディキンソン家のネズミ

エミリ・ディキンスンについて
エミリ・ディキンスンの詩 一覧
訳者あとがき

著者略歴

著:エリザベス・スパイアーズ
詩人。1952年、オハイオ州ランカスター生まれ。ヴァッサー・カレッジ(B.A.)ジョンズ・ホプキンズ大学(M.A.)卒。グッゲンハイム・フェローシップなどを受け、雑誌ニューヨーカー、アメリカン・ポエトリー・レヴュー、パルチザン・レヴューなどに、詩を発表。これまでに5冊の詩集がある。現在、ゴウシャー・カレッジ(メリーランド州)教授。子どもの本の世界にも深く関わり、7歳のときから親しく読んできたエミリ・ディキンスンとディキンスンの家に住む白ネズミとの風変わりな友情を描いた『エミリ・ディキンスン家のネズミ』(Farrar, Straus & Girous, 1999〔長田弘訳、みすず書房〕)は、2002年にマサチューセッツ州のチルドレン・ブック・アワードも受けた、著者の代表作。
絵:クレア・A・ニヴォラ
画家、絵本画家、絵本作家。イタリア、サルデーニャ島生まれのアメリカの著名な画家・空間デザイナーのコンスタンティーノ・ニヴォラが父。絵本の代表作に、森を怖がっていたネズミの暗い森への冒険を描いた『あの森へ』(柳田邦男訳、評論社)がある。色彩のうつくしさで知られるが、ペンの線画のみで描かれたスパイアーズ『エミリ・ディキンスン家のネズミ』(長田弘訳、みすず書房)の挿画は、白を愛したエミリ・ディキンスンの部屋の雰囲気をそのままに伝える。献辞にあるナーフは、この書に登場する白ネズミのエマラインそっくりの、自宅にいっしょに住んでいた誉れ高い白ネズミの名。
訳:長田 弘
詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。1971-72年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞(82)桑原武夫学芸賞(98)講談社出版文化賞(2000)詩歌文学館賞(09)三好達治賞(10)毎日芸術賞(14)などを受賞。2015年5月3日死去。

ISBN:9784622086468
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:88ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2017年07月
発売日:2017年07月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB