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ミクロストリアと世界史

歴史家の仕事について

著:カルロ・ギンズブルグ
編:上村忠男

紙版

内容紹介

長年にわたり世界の歴史学を牽引してきた著者の現在を伝える日本語版オリジナル編集の7篇。16世紀イタリア、フリウリ地方の一粉挽屋に焦点を絞り、徹底した資料読解と独自の方法論から当時の世界とわれわれの関係を炙り出した『チーズとうじ虫』はじめ、数々のミクロストリアと事例研究をとおして歴史家の課題に挑んできた著者の仕事は、この10年のあいだに発表された本書収録の「緯度、奴隷、聖書――ミクロストリアの一実験」「世界を地方化する――ヨーロッパ人、インド人、ユダヤ人(1704年)」「わたしたちの言葉と彼らの言葉――歴史家の仕事の現在にかんする省察」「ヴァールブルクの鋏」「内なる対話――悪魔の代言人としてのユダヤ人」「ミクロストリアと世界史」「無意志的な啓示――歴史を逆なでしながら読む」の各編でますます磨きがかかっている。さまざまな観点から「歴史とは何か」を考える書でもある。

「ほとんど無名に近い個人でも、はるかに大規模な現象にかんする省察への道を拓くことがありうる。〈ミクロストリアと世界史〉は、互いに両立不可能であるどころか、相手を強化しあうのだ」

目次

序文――日本の読者へ

緯度、奴隷、聖書――ミクロストリアの一実験
世界を地方化する――ヨーロッパ人、インド人、ユダヤ人(1704年)
わたしたちの言葉と彼らの言葉――歴史家の仕事の現在にかんする省察
ヴァールブルクの鋏
内なる対話――悪魔の代言人としてのユダヤ人
ミクロストリアと世界史
無意志的な啓示――歴史を逆なでしながら読む


編訳者あとがき

著者略歴

著:カルロ・ギンズブルグ
歴史家。1939年、イタリアのトリーノに生まれる。ピサ高等師範学校専修課程修了。ボローニャ大学・近世史講座教授、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校教授を経て、ピサ高等師範学校教授。著書『夜の合戦――16-17世紀の魔術と農耕信仰』(上村忠男訳、みすず書房1986[原著1966])『チーズとうじ虫――16世紀の一粉挽屋の世界像』(杉山光信訳、みすず書房1984、《始まりの本》2012[1976])『闇の歴史――サバトの解読』(竹山博英訳、せりか書房1992[1989])『裁判官と歴史家』(上村忠男・堤康徳訳、平凡社1992[1991])『ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎』(森尾総夫訳、みすず書房1998[1994])『ピノッキオの眼――距離についての九つの省察』(竹山博英訳、せりか書房2001[1998])『歴史・レトリック・論証』(上村忠男訳、みすず書房2001[1999])『歴史を逆なでに読む』(上村忠男訳、みすず書房2003)『糸と痕跡』(上村忠男訳、みすず書房2008[2006])『ミクロストリアと世界史――歴史家の仕事について』(上村忠男編訳、みすず書房2016)ほか。
編:上村忠男
1941年兵庫県尼崎市に生まれる。1968年、東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻。

ISBN:9784622085454
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:304ページ
定価:4200円(本体)
発行年月日:2016年09月
発売日:2016年09月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHA