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神経症

新装版

その理論と治療

著:V・E・フランクル
他訳:宮本 忠雄

紙版

内容紹介

フランクルの理論と実践が、最も体系的にまとめられ、かつ人間への温かいまなざしが感じられる著作。精神医学の枠を超えて、人文科学や社会科学へも示唆する拡がりを持つ。第一部「神経症論と心理療法」を所収。
また、キエルケゴール、ニーチェの実存哲学から、ハイデガーの現象学、ビンスワンガーの現存在分析、これらの思想との格闘から自己の存在論を創り、臨床に活かす試みを叙述する。第二部「ロゴテラピーと実存分析」を所収。

[1961年『フランクル著作集』4,5として初版刊行]今回は合本にし新装で刊行

目次

まえおき

第一部 神経症論と心理療法
一 神経症論の概要
a 課題としての神経症論
  神経症的疾患の定義と分類
b 体系としての神経症論
 1 内因性精神病
  人格と精神病
  補遺
  内因性うつ病における心理療法
 2 心身疾患
  心身医学への批判
  A 総論
  B 各論
 3 機能的疾患
  身体因性偽神経症
 I 類バセドー性偽神経症
 II 類アディスン性偽神経症
 III 類テタニー性偽神経症
 IV 植物性症候群
 4 反応性神経症
 I 不安神経症的反応型
 II 強迫神経症的反応型
 III 性的神経症的反応型
二 逆説的志向と反省除去
a 逆説的志向
 1 治療的技術
 2 臨床例の報告
b 反省除去
 1 期待不安と観察強迫
 2 反省過剰の臨床と反省除去の技術
 I 嚥下すること
 II 話すこと
 III 書くこと
 IV 考えること
 V 眠ること
 VI 創造すること
 体系としての神経症論(つづき)
 5 医因性神経症
 6 心因性神経症
 7 精神因性神経症

第二部 ロゴテラピーと実存分析
一 精神因神経症の特殊療法としてのロゴテラピー
a 実存的欲求不満と意味への意志
b 病理主義と精神主義
二 非特殊療法としてのロゴテラピー
三 医学的精神指導
a 苦悩の高い意義の考察(病義論)
b 苦悩の超臨床的な意味解釈
四 人格的実存の人間学的解明としての実存分析
a 存在的実存の解明としての実存分析
b 人格的実存の存在論的解明としての実存分析
 1 精神医学的人間学の構想
  心理療法の人間像
 2 次元存在論の試み
  人間存在の次元と投影
 I 人間存在の次元
 II 人間存在の投影
 III 精神的次元
 体系としての神経症論(終論)
 8 集合的神経症


訳者あとがき
文献
索引

著者略歴

他訳:宮本 忠雄
1930年埼玉県に生れる。1954年東京医科歯科大学医学部卒業。精神医学専攻。1973年から自治医科大学教授。1999年歿。著書『精神分裂病の世界』(紀伊國屋書店、1966)『人間的異常の考察』(筑摩書房、1970)『現代の異常と正常』『言語と妄想』(平凡社、1972、1974)『妄想研究とその周辺』(弘文堂、1982)。訳書 フランクル『時代精神の病理学』(1961)『神経症』(共訳、1961)ビンスワンガー『現象学的人間学』(共訳、1967)メルロ=ポンティ『知覚の現象学』2(共訳、1974)テレンバッハ『メランコリー』(1985、以上みすず書房)ハンス・トリューブ『出会いによる精神療法』(共訳、金剛出版、1982)ラカン『パラノイア性精神病』(共訳、朝日出版社、1987)ほか。

ISBN:9784622085393
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:424ページ
定価:5400円(本体)
発行年月日:2016年08月
発売日:2016年08月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MJ