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北朝鮮の核心

そのロジックと国際社会の課題

著:アンドレイ・ランコフ
訳:山岡 由美
解説:李 鍾元

紙版

内容紹介

ソ連生まれソウル在住(国民大学校教授)の著者の情報力と、歴史学の洞察で読む北朝鮮情勢。建国から混沌へ陥る歴史から金政権の内部論理を明らかにし、国際社会がとるべき政策について、冷酷なまでに現実的な独自の提案を行っている。さらに「ニューリッチ」「労働者の給与」「南北統一の費用」など北朝鮮の現実に切り込むコラムをおり交ぜ、読ませる。2014年刊行の改訂版から翻訳の、今最も充実した、かつ最新の一冊。

目次

序――驚異的な理性の国
第一章 金日成のつくりあげた社会とその軌跡
     金大尉の帰国/戦争とその影響/モスクワと北京のあいだで――金日
     成の北朝鮮が推し進めた外交/韓国との関係/指令社会/収容所
     国家/金日成の世界観/悪いことばかりではない/主体思想の誕
     生と金正日の登場、超スターリン主義経済の緩やかな死

     コラム 薄情な友人/女性と仕事/神聖なる肖像/ロイヤル・フ
         ァミリーの色恋沙汰/算数の教科書より

第二章 危機の二〇年
     そして世界は変わった/よみがえる資本主義/薄れる国家の存在感 
     /脱出を決断する/たどり着いた場所は天国(あるいは資本主義地 獄)/変わる世界観

     コラム カーチャ・シンツォヴァの哀れな一生/ニュー・リッチ/二〇一一年のありふれた一日

第三章 生き残りの論理
     改革は政治的自殺に等しい/市場経済の(不首尾な)取り締まり/絶体絶命の危機――二〇〇九年の貨幣革命/飢餓だけが消え去った

     コラム 労働者の給与

第四章 最高領導者とその時代
     ついに登場「若大将」/新しい時代の唐突な到来/守旧派の失脚  
     /新しい政策/論理の転換/緊張する南北関係

     コラム モニュメントの街

第五章 生き残りをかけた外交
     核のカードをちらつかせる/援助最大化外交/韓国の状況(三八六世
     代の台頭とその結果)/太陽の温かかった一〇年/斜陽/中国の
     参入

     コラム 使える投資家を探して

 小休止(未来の輪郭線――次の二〇年に何が起きるか)

第六章 何をなすべきか
     鞭が弱すぎたわけ/飴が甘くなかったわけ(または「戦略的忍耐」が不適切である理由)/長期的視野で考える/関与することの隠れたメリット  /情報を届ける/脱北者に寄り添う

     コラム 統一の花

第七章 準備を整える
     最悪の事態について考える/最も無難な解決策としての連邦制/  鎮静剤を少しだけ投与する

     コラム 統一の費用

 結 論――容易ならぬ結末


 謝 辞
 解 説 李鍾元
 原 注
 索 引

ISBN:9784622078951
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:368ページ
定価:4600円(本体)
発行年月日:2015年06月
発売日:2015年06月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB