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知識ゼロからの東大講義 そうだったのか!ヒトの生物学

著:坪井 貴司

紙版

内容紹介

東大教養の人気講義を書籍化。
文系学生も絶賛のわかりやすさで、ヒトのからだと病気のしくみがわかる!
花粉症やアレルギーってどうして起こるの?
最新の生命科学ってどうなってるの?
がんや認知症の治療はどこまで進んでるの?
こういった疑問に、そうだったのか!と納得の解説で応えます。
科学者のたちの逸話から、ノーベル賞の裏話、愛着を生み出すホルモンや腸内細菌のパワーなど、
今日から生かせる話題が盛りだくさん。
生命科学と医療の最新知識を、高校生から大人まで楽しく学べる1冊です。

目次

序章
・花粉症とクラゲの意外な関係 ― アレルギーの発見
・伊達政宗と夏目漱石の共通点
・アレルギーとアナフィラキシーショック
・【免疫のプレ講義】 体が異物を排除するしくみ
・体(背中)を張った実験と抗体の発見
・【細胞のプレ講義】 細胞が外界の情報を感受するしくみ
・アレルギーの薬から胃潰瘍の治療薬へ
・抗ヒスタミン剤が睡眠導入薬に?

第1章 感染と免疫 ― 外敵から体を守る
・細菌が作り出す毒素で感染症に
・【感染の基本講義①】 細菌
・結核がいまだに減らない日本
・コッホの原則
・失敗は成功のもと ― 世界を変えた薬 ペニシリン
・ペニシリンの大量合成と第二次世界大戦
・フレミングの予言 ― 進撃の薬剤耐性菌
・真菌 ― 実はふだん食べていますがときには猛威を振るいます
・寄生虫 ― 意外なところに隠れています
・10億人以上もの人を救う薬の発見
・【感染の基本講義②】 ウイルス感染
・鳥インフルエンザの正体
・感染に対抗するしくみ ― 免疫
・【免疫の基本講義①】 自然免疫と獲得免疫
・ワクチン後進国、日本
・【免疫の基本講座②】 液性免疫と細胞性免疫
・体がいろいろな病原体に対応できるわけ
・【免疫の基本講義③】 抗体の多様性のしくみ
・再考、花粉症のメカニズム
・【免疫の発展講義】 自己と非自己を見分けるしくみ
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と後天性免疫不全症候群(AIDS)
・コラム●HIV感染からの生還

第2章 遺伝子、タンパク質、体質とエピジェネティクス ― あなたがあなたであるわけ 
・体質とは何? ― 薬の効きやすい人と効きにくい人
・CYPとオーダーメード医療
・【分子の基本講義①】 DNAと二重らせん
・二重らせん構造の発見の舞台裏
・【分子の基本講義②】 遺伝子とゲノム
・遺伝病の例 ― 嚢胞性線維症、ハンチントン病、血友病
・【遺伝の基本講義①】 染色体と遺伝
・【遺伝の基本講義②】 性染色体と遺伝疾患
・ほとんどの病気は多遺伝子性疾患
・一塩基多型 ― 遺伝子の突然変異ではなく多様性
・染色体の数も大切 ― ダウン症候群
・コラム●新型出生前診断
・遺伝子のスイッチ ― 一卵性双生児とオランダの飢饉
・DNA塩基配列の変化を伴わない細胞の性質の変化 ― エピジェネティクス
・【遺伝の発展講義①】 X染色体不活化と三毛猫の毛色と模様
・色覚異常とスーパーヴィジョン
・【遺伝の発展講義②】 エピジェネティクスとエピゲノム
・ゲノムの化学修飾と病気 ― インプリンティングによる病気
・エピゲノムの初期化
・体質は環境や経験によって変わる
・エピジェネティクスは次世代に伝わるか?

第3章 細胞周期、がん、薬 ― 細胞の暴走を食い止める
・日本人の死因 ― 健康オタクなのに
・がんとは?
・発がんの原因を探して ― 寄生虫説・化学物質説・ウイルス説
・ウイルスから不思議な酵素を発見
・RNAウイルスが引き起こす病気
・ウイルスはがん遺伝子を持っていた
・ヒトにはがん遺伝子はあるのか?
・【細胞の基本講義①】 リン酸化と情報伝達
・白血病と分子標的薬
・がんを抑える遺伝子はあるのか?
・【細胞の基本講義②】 DNAと細胞周期
・多段階発がんモデル
・遺伝子のエピジェネティックな変化とがん
・ヒトにがんを発生させるウイルス
・【細胞の発展講義】 アポトーシスとネクローシス
・抗体を使ってがんをやっつける
・がんの治療法の種類と新しい原理の治療法 ― がん免疫療法
・コラム●新しいがん治療 ― がん免疫療法とは
・老化と寿命とがんの密接な関係
・アンジェリーナ・ジョリーと乳がん

第4章 ホルモン ― 血管をめぐるメッセンジャー
・自分や家族を実験台にした生理学者たち
・【ホルモンの基本講義①】 内分泌腺と外分泌線
・脳にもホルモンを分泌する細胞がある
・視床下部と脳下垂体によるホルモン分泌の調節
・【ホルモンの基本講義②】 ホルモンにもいろいろな種類がある
・【ホルモンの基本講義③】 古典的なホルモンと新しいホルモン
・一酸化炭素とノーベル
・ホルモン焼きにはホルモンが含まれるのか?
・食欲の調節 ― 満腹中枢と摂食中枢
・脂肪細胞からホルモンが分泌され食欲が調節される?
・血中で増減するグルコースと脂肪酸の濃度によって食欲が調節される?
・肥満マウスの発見 ― 未知の食欲制御因子発見に肉薄
・新参者の果敢な挑戦 ― ob遺伝子の解明
・脂肪細胞と性ホルモンの意外な関係性
・食欲を抑えるホルモンであるレプチンは「究極のやせ薬」になった?
・意外な臓器から食欲を促進するホルモンが発見された
・糖尿病とインスリンの発見
・【ホルモンの発展講義】 インスリンによる血糖濃度の調節のしくみ
・糖尿病の種類
・小腸から分泌されるホルモンとインスリンの意外な関係
・コラム●トカゲの唾液から糖尿病の治療薬
・腸内細菌とホルモン分泌との密接な関係
・糖尿病と運動
・知られてないけど大切な器官 ― 甲状腺
・ホルモンによって愛着が決まる?

第5章 脳 ― あなたを生み出す装置
・昨日と今日の違いは大切
・【脳の基本講義①】 脳の構造
・失ったはずの手や脚の痛みを感じる
・脳地図の再構築
・体の痛みと寂しさや妬みは同じ痛み?
・【脳の基本講義②】 ニューロン同士での情報伝達
・体の状態から脳は今の自分の状態を把握する
・ストレスと運動の関係
・うつ病
・他人の気持ちに共感するしくみ
・腸内細菌がヒトを救う?
・【脳の発展講義】 記憶のしくみ
・記憶・学習能力の獲得には、遺伝子も環境も大切
・認知症
・コラム●認知症治療薬の開発の現状
・コラム●認知症を引き起こす新たな因子と認知症発症予防の可能性

ISBN:9784621304518
出版社:丸善出版
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2019年11月
発売日:2019年11月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MB