放送大学教材
西アジアの歴史
著:林 佳世子
紙版
内容紹介
大学での歴史教育は、日本史、東洋史、西洋史を大きな枠組みとして行われてきた。しかし、西アジアの歴史は、その枠組みに収まらず、一般には通貫して理解されにくい存在であった。しかし、キリスト教やイスラーム教への理解をはじめ、西アジア史理解を通じてはじめて見えてくる現在の世界がある。民族の交代、宗教の交代がおこり、そこに住む人々のアイデンティティは変化してきた。本書では西アジアに定点を定め歴史の流れを追い、その地におこった変化の歴史を辿る、その重層を理解し、今日に続く諸問題を考える。
目次
1.西アジア史への誘い 2.先史時代の西アジア 3.都市国家から領域国家へ 4.国際化時代の幕開けと帝国の時代 5.アレクサンドロス大王の東方遠征とヘレニズム時代の諸国家 6.ローマ帝国と西アジア 7.東ローマ(ビザンツ)帝国とササン朝 8.イスラームの登場 9.イスラーム帝国の解体と諸王朝の発展 10.モンゴル帝国からオスマン帝国へ 11.近世帝国の時代 12.西アジアの近代 13.列強の西アジア進出とナショナリズムの高揚 14.イスラーム主義の拡大と社会の変化 15.西アジアの現在:「テロとの戦い」と「民主化」がもたらす混乱