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扶桑社新書

近代日本 偽りの歴史

無意識に史実を歪ませるリベラルの「病」

著:辻 貴之

紙版

内容紹介



「はじめに」より抜粋
リベラル史観の歪みを正す!
~近年、日本近代史の研究が進み、「リベラル」派の史観に対し疑問の声が強まり、歴史の見直しが行われています。<中略>なかでも、大正デモクラシー的状況こそが昭和の戦争の時代を招いたのではと考える研究者が増えつつあるのです。加えて、昭和の戦時下、リベラル系とされる朝日新聞が、先頭を切って国民を煽動し戦争遂行に協力したのは、どうしてなのでしょうか。「リベラル」派の史観では説明がつきません。<中略>大正と昭和のあいだには断絶などなく、昭和の軍国主義は、大正時代に準備されていたのです。





目次

目次
第一章 近代日本の保守主義を体現した伊藤博文・原敬
・近代日本の保守主義を体現した伊藤博文そして原敬
・明治政府に仕掛けた“急進派” 大隈重信のクーデター
・日清戦争前夜、開戦を煽った国粋主義者たち
・大陸進出の“急進派” に抵抗し続けた伊藤博文
・アメリカは「恐るべき存在になる」と喝破した原敬
・日本孤立化の危機を回避した、原敬内閣のヴェルサイユ条約調印
・東アジアの秩序を回復させたワシントン体制を壊した「革新」派の登場
・満州事変へと日本を引きずり込んだ原敬の暗殺


第二章 自由民権派という名の〝国粋主義者“たち
・清沢洌『日本外交史』が後世に伝えること
・革命家・西郷隆盛が突き進んだ、無謀なる征韓論
・「武」を捨て切れなかった板垣退助の限界
・反政府のためだけにあった板垣・自由民権運動
・板垣らの民権派こそ、国粋主義を発展させた中核であった
・後の左翼思想の素地をつくった福沢諭吉
・福沢諭吉の思想に感化されていた自由民権運動指導者


第三章 「大衆」の登場が、日本の進路を大きく誤らせた
・対立と混乱で始まった初期帝国議会
・近代日本ナショナリズムの母体となる「硬六派」の発足
・アジア主義を信奉する「反体制」派
・伊藤博文と対立したアジア主義の盟主・近衛篤麿
・極左思想家であった中江兆民
・近代日本の分岐点となった日露戦争
・“魔の季節”の到来を告げた「日比谷焼き打ち事件」
・革命家・孫文に共鳴した「反体制」派たち
・「日比谷焼き打ち事件」を扇動した朝日新聞の論調


第四章 〝理想国家“実現へ猛進した急進思想家の罪
・陸軍の横暴から幕を開けた大正時代
・最悪の選択となった大隈重信内閣の発足
・近代日本外交史上最大の失敗となった「対華 21カ条の要求」
・日本のアジア主義に対して、深刻化する欧米の懸念
・ロシア革命で消えた、危険だった “日露軍事同盟”
・無政府主義者でもあった吉野作造
・昭和史に多大な影響を与えた「老壮会」の発足
・シベリア出兵を主導した後藤新平の過ち
・日独伊三国同盟に影響を与えた後藤新平の「新旧大陸対峙論」


第五章 大正デモクラシーこそ、「昭和の戦争」の元凶であった
・ヴェルサイユ条約に猛反発した「革新」派たち
・大正デモクラシーの“申し子”だった近衛文麿
・“大振れする ”石橋湛山の思想
・陸軍は本当に大正デモクラシーを嫌悪していたのか
・大正デモクラシーこそ、「昭和の戦争」の元凶であった
・「不平等と貧困を正す」を掲げ、左傾化していった戦前の日本

ISBN:9784594078614
出版社:扶桑社
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:850円(本体)
発行年月日:2017年12月
発売日:2017年12月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH