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生きぞこない

エリートビジネスマンの「どん底」からの脱出記

著:北嶋 一郎

紙版

内容紹介

あぁ、これが地獄というものか…!

巨大IT企業のエリートビジネスマンが、
身を粉にして働き、
ときに上司の秘書と男女関係を結ぶなど
あらゆる手を尽くし出世に奔走する。

2500人の同期社員を押しのけ、
ついには700名もの部下を抱え、
人もうらやむような高額年棒とステータスを得る。

しかし、担当していた部署が中国企業に
買収されたのをきっかけに退社。
その後、彼はジェットコースターのように
奈落の底へと墜ちていく。

別れた彼女にあげた分譲マンションのローン、
2000万円のポルシェ(うち、1000万は改造費)、
銀座和光を貸し切って購入した高級時計の数々…
それらの借金が1億1000万円にのぼっていたのだ。

当初こそ、次々と超有名企業に
高額年棒で転職できていたものの、
すぐに辞めさせられてしまう始末。

ついには、駅前のドラッグストアやカレーうどん屋でバイトし、
同棲相手のわずかな収入をあてにヒモのように暮らす日々。
そして、双極性障害(躁うつ病)を発症し、
自殺未遂、自己破産……。

いったい、彼はどこで「生きぞこなって」しまい、
地獄を見ることになってしまったのか?
彼をここまで迷わせてしまった、
「会社」というものは何なのか?
また、そんな彼を救ってくれたものは何だったのか?

混迷の時代に、
どんなにかっこ悪くても這い上がっていく勇気を
与えてくれる衝撃の一冊!

************************

(前書きより)

「きれいな歯してますね」
僕は人からよく、そんなふうに言われる。
でも、言ってしまおう。
僕の歯はほとんど総入れ歯。
自分の歯は下の六本のみだ。

二〇〇九年九月十二日、
僕は睡眠薬自殺を図った。
最後にメールを送った知人の機転ですぐに発見され、
意識不明のまま病院に搬送された。

僕の口は固く閉じられていて、
胃洗浄のチューブを通すためには
歯を粉々に砕くしかなかったのだ。

こうして、僕は生きぞこなった挙げ句、死にぞこなった。
いったい、僕はどこで間違ってしまったんだろう?

目次

第一章 目標は国際派ビジネスマン
衝撃の入社式
憎悪の対象
スパルタだった父
マイノリティのディベート必勝法
オレ流・就職活動

第二章 会社員としての「戦略」
二十階からの眺め
ロールプレイング研修
自信喪失
ある「戦略」
「戦略」第二弾
スクラップ&ビルド
七百人の部下をもつ

第三章 再就職という名の迷路
晴天の霹靂
I社に別れを告げた日
半導体不況
外資系は怖い
日本企業の常識

第四章 破綻
あぶれ組
物欲
和光を貸し切る
バイト失格
うつ発症
奇跡の再就職
ラストドライブ
「もうだめです」
決行
手本

第五章 絶望の果てに
救いの手
双極性障害
親友たち
プロフェッショナル
繋がり
父の姿
会社とは
君の手に残るもの

ISBN:9784591129371
出版社:ポプラ社
判型:4-6
ページ数:214ページ
定価:1400円(本体)
発行年月日:2012年06月
発売日:2012年06月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB