Railway Stories
著:大崎 善生
紙版
内容紹介
終着駅は記憶の中――
車窓の向こうに揺れる
切ない記憶の物語。
切ない青春時代の恋、家族の原風景、父の死、
様々なテーマで描かれた十篇の珠玉短編集。
目次
『夏の雫』(小札線いしかり)
・・・冬季五輪のころ、札幌を舞台にすれ違う切ない青春の恋心の記憶へ。
『橋または島々の喪失』(瀬戸内海線マリンライナー)
・・・瀬戸の島々に揺蕩う19歳の少女の哀しみの記憶へ。
『失われた鳥たちの夢』(井の頭線)
・・・懐かしい少年時代の記憶と温かな現在の家族の風景が交差する場所へ。
『不完全な円』(山手線)
・・・大学時代、二人で孤独から逃げるように、ぐるぐると円を描き続けた日々へ。
『もしその歌がたとえようもなく、悲しいのなら』(大糸線)
・・・「レット・イット・ビー」が流れる時代、「走れ!」と叫んだ旧友の悲しい声が響く。
『キャラメルの箱』(特急カシオペア)
…幼い息子の寝顔を見ながら、夫婦でワインを傾け、想いだす今は亡き父のこと。
ほか『フランスの自由に、どのくらい僕らは、追いつけたのか?』『さよなら、僕のスウィニー』『虚無の紐』『確かな空と不確かな海』全10篇