出版社を探す

サピエンティア 66

朝鮮映画の時代

帝国日本が創造した植民地表象

著:梁仁實

紙版

内容紹介

帝国日本では多くの映画人や作品、情報が往来し、内地でも朝鮮映画が上映され「朝鮮物」が作られた。こうした朝鮮映画や朝鮮物は誰に観られ、いかに考えられていたのか。戦時色が強まるにつれ、セリフは日本語に、スクリーンには「立派な皇国臣民」が登場するようになる。監督や俳優などの製作者、映画館経営者、観客の思いは、朝鮮人と日本人でいかに重なり、異なったのか。

目次

序章 帝国日本における朝鮮映画とは何か:朝鮮たらしめるもののゆくえ

第1章 『大地は微笑む』における「朝鮮」とその周辺

第2章 映画『春香伝』の越境と翻訳の不/可能性

第3章 インターナショナルな朝鮮映画へ

第4章 京城の映画館における植民者と被植民者の「交差」

第5章 児童映画から「少国民」の物語へ

第6章 在日朝鮮人の映画への接合:映画からの排除と参入

終章 帝国日本で「朝鮮/映画」を観るということ

あとがき

索引

著者略歴

著:梁仁實
(양 인실/YANG Insil)
韓国済州生まれ。立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在,岩手大学人文社会科学部人間文化課程准教授。専門は在日コリアン表象,日韓の文化交流史。
主な業績は「1930年代京城と「女/性」表象――2010年代以降の韓国映画を中心に」(岩手大学人文社会科学部紀要『アルテス リベラレス』2020年),「영화관객으로 재조일본인을 상상하기 일본어신문」『부산일보』를 중심으로『식민지 문화정치와 「경성일보」: 월경적 일본문학・문화론의 가능성을 묻다』역락(「映画観客として在朝日本人を想像する 日本語新聞『釜山日報』を中心に」金孝順編『植民地の文化政治と「京城日報」:越境の日本文学・文化論の可能性を問う』ヨクラク,2020年),「복합영화상영관 메이지좌의 사회사」(「複合映画上映館 明治座の社会史」韓国学中央研究院編『明洞 街角の文化史』2019年)などがある。

ISBN:9784588603662
出版社:法政大学出版局
判型:4-6
ページ数:306ページ
価格:3300円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年10月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ATF