サピエンティア 35
身の丈の経済論
ガンディー思想とその系譜
著:石井 一也
内容紹介
産業革命以降の大量生産・消費・廃棄、環境破壊という近代化の歴史と、それに続くグローバル化の流れは、人類を含む生態系をますます危機にさらしてきた。本書は、I.イリイチの「コンヴィヴィアリティ(自立共生)」という概念を手かがりにして、人間と人間、人間と自然のより豊かな関係性を追求したガンディー思想をつぶさにたどることで、持続可能な社会への転換の途を探る。
目次
序章 身の丈の経済論
第一章 ガンディーの生涯――「真理」の実験の記録
一 西洋との出会い――生誕からイギリス留学時代まで
二 「真理」の模索――南アフリカ時代
三 「真理」の実践――インド帰国から暗殺まで
第二章 ガンディー研究をめぐる論点
一 近代主義による批判
二 ポスト近代主義などによる再評価
三 もうひとつの理解の可能性
第三章 宗教観――コンヴィヴィアルな倫理の形成
一 ヒンドゥー教――『バガヴァッド・ギーター』を中心として
二 ジャイナ教および仏教――インドの本格的アヒンサー思想
三 キリスト教――『聖書』と異端思想
四 「真理」観――ヴェーバー的「禁欲」との比較
第四章 経済思想の基本構造
一 近代文明批判
二 自由主義経済学およびマルクス主義への批判
三 ガンディー=タゴール論争
四 脱近代の経済建設
第五章 チャルカー運動
一 運動にたいする評価
二 「協同組合的社会」建設の端緒――第一期(一九二〇‐三四年)
三 「真の経済学」と運動の波及効果――第二期(一九三四‐四四年)
四 市場からの脱却をめざして――第三期(一九四四‐四八年)
第六章 受託者制度理論
一 理論にたいする評価
二 大資本家との出会い
三 マルクス主義の浸透
四 社会主義の影響
第七章 ガンディー死後の「ガンディー主義」――サルヴォーダヤ運動
一 マルクス主義による批判
二 国家政策における位置づけ
三 サルヴォーダヤ運動の展開
四 サルヴォーダヤ運動の分裂と継承
第八章 ガンディー思想と経済学
一 シューマッハーとガンディー思想
二 「スモール・イズ・ビューティフル」
三 中間(適正)技術
四 系譜と意義――センの諸概念に照らして
終章 ガンディー思想とグローバリゼーション
註記
あとがき
引用・参考文献
ガンディー年譜
事項索引
人名索引
ISBN:9784588603358
。出版社:法政大学出版局
。判型:4-6
。ページ数:352ページ
。定価:3800円(本体)
。発行年月日:2014年03月
。発売日:2014年03月13日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA。