ものと人間の文化史 180
醤油
著:吉田 元
内容紹介
日本の味に欠かせない醤油だが、商品として庶民に広まったのは江戸時代である。それまでは塩辛や味噌に似た自家製の汁を調味料としていた。醤油の普及により天ぷらや寿司、蒲焼きや蕎麦など食文化は一気に多彩になる。母国に数百本持ち帰った明治期の英国人、濃口・淡口といった産地の特徴、台湾や中国との製法の違い、代用醤油の登場、海外輸出時の苦労ほか、エピソードも盛りだくさん。
目次
第一章 調味料の誕生
東アジア型食生活と調味料/旨味の発見/醤油とは/醤油のつくり方/発酵の仕組み/圧搾と火入れ/醤油の味と香り
第二章 古代日本の調味料
朝廷でつくられた調味料/醤とは/醤油の神/宴会料理
第三章 室町・戦国時代の調味料
寺院の食事/公卿の食事/醤油の誕生
第四章 江戸時代の醤油
料理書にみる醤油/醤油の産地/関西醤油/関東醤油/醤油屋の看板/醤油職人/醤油の輸送/「下り醤油」の復元
第五章 日本醤油の海外輸出
ケンペル、ツュンベリーの報告/ティッツイングの報告/コンプラ瓶/商館記録から/ヨーロッパ人による評価
第六章 手づくり醤油
『広益国産考』/各地の手づくり醤油/長崎江島の醤油/ソテツ醤油
第七章 中国の醤油
清代の醤油/満州の醤油/中南部の醤油/その後の満州醤油/台湾の「蔭油」/現代中国の醤油
第八章 豆味噌と溜り醤油
「溜り」の登場はいつか/焚味噌屋仲間/幕末の溜り醤油/明治時代の溜り醤油/ニーラ溜り/現代の溜り醤油/朝鮮半島の「醤」
第九章 近代の醤油醸造業──明治以降の歩み
東京醤油会社と海外輸出/醤油税/業界の歩み:戦前から戦中まで/日本醤油株式会社の挫折/科学技術の導入/圧搾機の導入/工場建設と生産過剰/醤油の容器/粉末醤油/ハワイの醤油/統制の時代/醤油のカビ/アメリカ本土における生産
第十章 最近の醤油
御用醤油醸造場/移築された醤油店/嗜好の地域差/容器の変遷と鮮度
文献一覧
あとがき
ISBN:9784588218019
。出版社:法政大学出版局
。判型:4-6
。ページ数:272ページ
。価格:2600円(本体)
。発行年月日:2018年03月
。発売日:2018年03月10日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TDCT。