叢書・ウニベルシタス 772
哲学の余白 下〈新装版〉
著:J.デリダ
訳:藤本 一勇
紙版
内容紹介
〈差延〉や〈脱構築〉の基本概念が明らかにされるデリダ1970年代の重要なテキストの完訳。下巻には、フッサールを論じた「形式と〈言わんとする作用〉」、バンヴェニストの言語学「繫辞の代補」、リクールとの論争を招いた「白い神話」、ヴァレリー論「痛み、源泉」、オースティンの言語行為論をめぐって〈デリダ=サール論争〉を巻き起こした「署名 出来事 コンテクスト」の5論考を収める。
目次
形式と〈言わんとする作用〉
──言語作用の現象学についての注記
テクストのなかの〈言わんとする作用〉
鏡のなかのエクリチュール
形式の限界‐能力
「ある」という形式──その省略=不足
繫辞の代補──言語学の前にある哲学
狂詩曲
転移
超越論的なものと言語
代補のなかの残余。動詞「在る」の直説法現在三人称単数形について
白い神話──哲学テクストのなかの隠喩
銘句
さらなる隠喩=もはや隠喩なし
太陽の省略──謎、理解=包含不可能なもの、奪取不可能なもの
修辞学の花々──向日葵
形而上学──隠喩の止揚
痛み 源泉
──ヴァレリーの源泉
隆起=跳ね返り
Der sich aufhebende Ursprung あるいは源泉の杯=切断
哲学の要点=哲学なし──エクリチュール
出来事と他者の体制──響き
錯綜体(形式主義たちの問い)──ニーチェとフロイト
署名 出来事 コンテクスト
エクリチュールと遠隔コミュニケーション
寄生者たち。ITER〔また〕、いくらかエクリチュールについて。
おそらくエクリチュールは現実存在しないということ。
署名たち
原注
原注に対する訳注
訳注
訳者謝辞