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犬たち

著:マルク・アリザール
訳:西山 雄二
訳:八木 悠允

紙版

内容紹介

驚くべき頑固さと並外れた繊細さをあわせもち、先史時代よりわれわれの善き友人でありつづけてきた犬たち。ときに幸福な愚か者として描かれ、ときに盲目的な服従者の象徴とされるかれらはしかし、みずからの運命を心から楽しみ、喜びに身を寄せる思想家のように見える。エジプト・ギリシア神話、聖書の世界から現代思想・現代文学にいたる犬たちの物語を読みとき、かれらの幸福のありようを学ぶ哲学的断片。

目次

犬たちの喜び
動物界の恥
おおいぬ座
信仰のみ
ドッグ・ヴィンチ・コード
ダーウィンの犬たち
伴侶動物のための宣言
この犬を見よ
悪天候
オイディプス王、あるいは、オイディプスという犬
雌の番犬たち
あらゆるイヌイット
動物のような性交
カインのしるし
咆哮
ガブリエル
エピローグ

 謝辞
 訳者あとがき
 人名索引
 犬名索引

著者略歴

著:マルク・アリザール
(Mark Alizart)
1975年生まれ。フランスの哲学者。ポンピドゥー・センター、パレ・ドゥ・トウキョウなどの文化ディレクターを歴任。科学技術(とりわけ情報科学)やポップカルチャーの哲学的考察を通じて近代性の限界を問い直す作業を続けている。著書に『ポップ神学』(2015)、『天上の情報科学』(2017)、『クリプトコミュニズム』(2019)、編著に『フレッシュ・セオリー』全3巻(2005-2007)、『スチュアート・ホール』(2007)、『聖なるものの痕跡』(2008)などがある。
訳:西山 雄二
1971年生まれ。首都大学東京准教授。現代フランス思想。著書に『哲学への権利』(勁草書房、2011年)、『異議申し立てとしての文学──モーリス・ブランショにおける孤独・友愛・共同性』(御茶の水書房、2007年)、編著に『カタストロフィと人文学』(勁草書房、2014年)、『終わりなきデリダ──ハイデガー、サルトル、レヴィナスとの対話』(法政大学出版局、2017年)、訳書にJ・デリダ『獣と主権者』(全2巻、白水社)、『哲学への権利』(全2巻、みすず書房)、『条件なき大学』(月曜社)、『嘘の歴史 序説』(未來社)などがある。
訳:八木 悠允
1983年生まれ。ロレーヌ大学博士課程在籍中、国立応用科学院レンヌ校非常勤講師。フランス現代文学、特にミシェル・ウエルベック研究。翻訳に、サミュエル・エスティエ「ウエルベック批評の十年」(共訳、『人文学報』、首都大学東京フランス文学教室、第514-15号)、K・シャレディブ「枠組みの蘇生」(共訳、『人文学報』、首都大学東京フランス文学教室、第515-15号)。

ISBN:9784588130274
出版社:法政大学出版局
判型:4-6
ページ数:182ページ
価格:2000円(本体)
発行年月日:2019年05月
発売日:2019年05月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WNF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:VF