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叢書・ウニベルシタス 1024

人間の尊厳と人格の自律

生命科学と民主主義的価値

著:ミヒャエル・クヴァンテ
監訳:加藤 泰史

紙版

内容紹介

人間の尊厳とQOL評価、生殖医療、遺伝子診断、着床前診断と幹細胞研究、クローンと人格、医療情報の開示/拒否、インフォームド・コンセントの是非、自己決定による死の権利、臨死介助……。人間の生命に関わるバイオテクノロジーは、民主主義的価値に対していかなる問題提起を行うのか。それは哲学・倫理的な問いなのか、政治・倫理的な問いなのか。ヘーゲル研究から生命医療倫理学まで、幅広い領域で活躍し現代ドイツの倫理学研究をリードする著者の主著。

目次

日本語版への序文

序論 生命科学と民主主義的価値

第Ⅰ部 人間の尊厳

第1章 人間の尊厳とQOL評価との両立不可能性に反対して
第2章 着床前診断と幹細胞研究
第3章 政治的か倫理的か?──国家倫理評議会の着床前診断意見書に対する批判

第Ⅱ部 人格

第4章 生命科学と人格概念
第5章 クローニングと人格の同一性
第6章 自己―操作?


第Ⅲ部 自律
第7章 情報を受けての同意(インフォームド・コンセント)・情報を受けての拒絶・情報の拒絶
第8章 臨死介助
第9章 延長された自律

展望 多元主義的社会における人間の尊厳と人格の自律

クヴァンテの「プラグマティズム的人間学(Pragmatistische Anthropologie)」構想と生命医療倫理学の現在──監訳者あとがきに代えて

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事項索引
人名索引

著者略歴

著:ミヒャエル・クヴァンテ
(Michael Quante)
1962年生まれ。82年から89年にかけてベルリン自由大学とミュンスター大学で哲学とドイツ文学を学び、92年にはミュンスター大学のジープのもとでHegels Begriff der Handlung(『ヘーゲルの行為概念』)によって哲学博士号を取得。その後、2001年にPersonales Leben und menschlicher Tod(『人格の生と人間の死』)で教授資格を取得。04年にドュイスブルク‒エッセン大学実践哲学講座教授、05年からケルン大学実践哲学・近現代哲学講座正教授(07年から09年まではケルン大学生命科学倫理研究所所長)を務めたのち、09年からミュンスター大学実践哲学講座正教授。邦訳された著書に、『ヘーゲルの行為概念―現代行為論との対話』『ドイツ医療倫理学の最前線―人格の生と人間の死』(以上、リベルタス出版)、『人格―応用倫理学の基礎概念』(知泉書館)、がある。
監訳:加藤 泰史
1956年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科教授。主な業績:Kant in der Diskussion der Moderne (herausgegeben von G. Schönrich und Y. Kato, Suhrkamp, 1996)、「現代社会における『尊厳の毀損』としての貧困──格差・平等・国家へのカント的アプローチ」(日本哲学会編『哲学』第60号、2009年)、A・ヴェルマー『倫理学と対話──道徳的判断をめぐるカントと討議倫理学』(監訳、法政大学出版局、2013年)。

ISBN:9784588010248
出版社:法政大学出版局
判型:4-6
ページ数:350ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2015年03月
発売日:2015年03月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD