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叢書・ウニベルシタス 946

中世の知識と権力

知は力となる

著:マルティン・キンツィンガー
訳:井本 二
訳:鈴木 麻衣子

紙版

内容紹介

古今東西、いかなる権力も「統治」のために何らかの「知識」を必要とした。その知識は、どのように形成され、どのように利用され、いかにして世の中を動かす力、あるいは権力になったのか。修道院の僧坊や付属学校、黎明期の大学における知の生産と伝達の過程を探りつつ、中世ヨーロッパにおける教養知識、実践知識とは何であったのか、また、両者の関係はどのように変化したのかを明らかにする。【文化史・中世史】

目次

  題辞 知は力となる  7
  序文 教養について  12

Ⅰ 中世の知識と中世における知識──近代への道  17

  1 現代の危機、歴史のヴィジョン  19
  2 信仰と知識  22
  3 知識と知識社会  26
  4 教養知識と行動知識  30
  5 文化技法と象徴的資本としての知識  35
  6 伝統性と個人性  43
  7 コミュニケーションとしての知識  49

Ⅱ 修道院の僧房と権力中枢──中世からの道  63

  1 修道院の文化  68
  2 修道院学校の秘密の場所  72
  3 修道院の歴史  79
  4 出自と知識  87
  5 規律の重圧下での知識獲得  89
  6 知識政策  99
  7 知識の空間  114
  8 大聖堂付属学校  116
  9 学校、授業、学問  121
  10 知識、有益性、出世  128
  11 知的な風土  132
  12 都市市民の新しい知識  140
  13 大学における古いものと新しいもの  159
  14 知識を巡る争い  178
  15 王の知識と貴族の教養  196
  あとがき 知識社会における教養、知識、権力  211

  訳者あとがき  213
  参考文献  巻末(5)
  索  引  巻末(1)

著者略歴

著:マルティン・キンツィンガー
1959年,ドイツ,ヘッセン州に生まれる.ブラウンシュヴァイク大学で史学を学ぶ.1997年,ベルリン自由大学で中世史学の教授資格を得る.ミュンヒェン大学教授などを経て,2002年からミュンスター大学史学科教授.本書の他に『中世フランス・ドイツにおけるカール大帝の遺産』(2005年)などの著書がある.
訳:鈴木 麻衣子
1979年に生まれる.横浜国立大学教育人間科学部国際共生社会課程卒業.同大学大学院教育学研究科修士課程言語文化教育専攻修了.共訳に,W.ハルトゥング『中世の旅芸人』,F.ライヒェルト『世界の体験』(以上,法政大学出版局)がある.

ISBN:9784588009464
出版社:法政大学出版局
判型:4-6
ページ数:230ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2010年11月
発売日:2010年11月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD