物語文学の諸相と展開
著:中野 幸一
紙版
内容紹介
『源氏物語』『うつほ物語』『堤中納言物語』などの物語史を検証。
また、緻密な文章表現の分析により、物語世界に新たな解釈を提示する。
『平家公達草紙』『しづくににごる物語』『下燃物語』『すもり物語』『しら露物語』など新出の物語文学資料に関する論考も充実。
目次
はじめに
古代物語の系譜と類別―物語史の検証―
前期物語の性格―物語史の検証―
長編物語の成立をめぐって(講演)
古物語の合成発展―短編から長編へ―
『うつほ物語』の成立年代―史実・歳事・風俗上からの考察―
『うつほ物語』の叙述の方法―長編物語への試み―
『うつほ物語』の構造
『源氏物語』の一回性人物―その消滅型と再生型―
『源氏物語』の「かざり」について
『源氏物語』の表現方法―短文表現と再叙表現―
『源氏物語』の遡及表現
『源氏物語』の依存表現
『源氏物語』における強調・感動・傍観の草子地
『源氏物語』における「夕ばえ」の解釈について
猪苗代兼載『源氏一部抜書』の資料的価値
「物語のいできはじめのおや」考―『竹取物語』の文学史上の地位―
「源氏取り」の物語の方法
草子地攷
『紫式部日記』の時間的構造―その回想と執筆時期について―
『堤中納言物語』の形態とその編纂意図
『堤中納言物語』をめぐっての試論―はたして短編物語集か―
六条斎院禖子内親王家の「物語合」について―その発見時の成果の再吟味―
書陵部蔵の佚名物語一巻について―『平家公達草紙』の残欠か―
『平家公達草紙』をめぐって
『しづくににごる物語』考
『下燃物語』の残欠絵巻について―後期物語の新出資料―
『すもり物語』覚書
『しら露物語』考
初出掲載誌