食べるとはどういうことか
著:佐藤洋一郎
内容紹介
私たちにとって当たり前の営為、「食」。
それは、食材の生産・運搬・調理・食べること・消化・排泄といった複雑で繊細な営みの連鎖によって構成されている。この連鎖をなかなか知覚できない現代社会では、人びとは「食」に対する関心もリスペクトも失ってしまうのではないか―。
本書は、根源的な営みを、食べものの動きに沿って、「食べるもの」「食べものが口に入るまで」「人体内でおきていること」「しまいかた(排泄や身体の扱いかた)」の4部構成で解説。食文化を広範囲から見つめ直す画期的な一冊。
目次
はじめに
食べるとは?/地方でおきていること/大災害が地方の縮小を急加速させた/
大災害、都市を襲う/ウクライナでおきていること/本書の構成
1 食べるもの
第1章 食べるものを手に入れる
人の食べもの/人は雑食動物/入手の邪魔をするもの
第2章 食べ物―なくてはならないもの
食材/糖質、脂質、たんぱく質/三大栄養素は同じところで生産されてきた/
塩という食材/運ばれた食材
第3章 人として食べるもの
人は栄養のためだけに食うにあらず/アルコール/香辛料/嗜好品/
食を飾る素材
第4章 食材を手にいれる
なりわいいろいろ/価値観を作った食のなりわい/大規模化した農業/
海でのなりわい/なりわいはつながっている/市場/市場の役目/
コロナ禍と外食/観光と外食
第5章 粒と粉
人は粉を食べてきた/粒のまま食べる/餅はだれがかんがえたか?
2 食べ物が口に入るまで
第6章 料理するということ
料理とは何か/料理のおこり/臼で挽く/食べものを保存する/発酵/
料理の技/儀礼や行事のときの食/食のパッケージ
第7章 作る人、食べる人
他者のために料理するなりわい―料理の専門家たち/人のために作ること /
食べる人が作る人を育てる/中食というスタイル/ファストフード/
弁当と給食
第8章 大量生産の功罪
同じものをたくさん/食の産業/ぜいたく品/食べないという選択
3 人体内で
第9章 五感
五感の役割/視覚の役割/聴覚と食、触覚と食/嗅覚と食
第10章 味覚
味覚と味覚障害/甘味、甘み、甘さ/うま味、うまみ、うまさ/
食と健康、食と寿命
第11章 栄養と健康
消化と吸収/食べわけ/飢餓と栄養過多/毒と中毒/
免疫・アレルギー・不耐性
4 しまいかたを考える
第12章 排泄物のゆくえ
排泄と生命の交換/きたない!/嫌がらせに使われた「うんこ」/
循環するうんこ/資源だったうんこ/豚に襲われる!/ラオスの鶏たち/
もうひとつの小さな循環
第13章 いのちの交換と地球環境
人は死体をどう扱ってきたのか/化野/最後の貢献
第14章 食と環境問題
内なる機械化、外なる機械化/「食べすぎ」がもたらす環境問題/
食べなければ環境問題は起きないか/和食文化とは何か/食は風土である/
大災害が食文化を創造した
おわりに
料理をしよう/男子厨房に入ろう!―食べ方改革のすすめ/食文化の学問を
ISBN:9784585330028
。出版社:勉誠出版
。判型:4-6
。ページ数:280ページ
。定価:2800円(本体)
。発行年月日:2022年07月
。発売日:2022年07月29日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC。