機巧の文化史 異聞
海を渡った三台のからくり人形
著:村上和夫
内容紹介
「ジャパニーズペインター」と呼ばれる江戸時代のからくり人形は、なぜ異国に渡ったのか。
からくり師、時計師、天文家、マジシャン、コレクター……交錯する人物たち。わずかな痕跡を残し消えた高度なからくり人形の謎に迫るため、近代的エンジニアの先駆け田中久重の生涯を足がかりに、からくり製作の歴史と文化創造の過程を丹念に追った一冊。
貴重なからくり人形の写真を含む、約100枚の図版を掲載!
【本書の特色】
・江戸時代に開化・発展をとげたからくりの歴史を知ることのできる一冊。
・巻末には主要人物の説明や、索引を完備。
目次
序 章 古い写真
第一章 ジャパニーズペインター
やっと胸を張れる/からくり人形よ私/『弓曳童子の再生』/密かに調査を開始する
第二章 フェイクオートマタ
マジシャンとからくり人形/ジョン・ゴーンを訪ねる
第三章 正体不明のからくり人形
写真はもっとある
第四章 日本化された機械時計
人間が機械に手を貸す/切支丹の時計鍛冶
第五章 天保六年七月二四日の絵日記
JPとの対面/第三の台付きからくりの正体/竹田近江からくり芝居/井桁屋徳兵衛は占箱を見たか
第六章 田中久重の生涯(青春期)
風砲製作の実態/メジャーリーグへの昇格/大坂の上町に工房を構える
第七章 田中久重の生涯(円熟期)
須弥山儀製作の人間模様/万年時計の到達点と限界/からくり師から近代的エンジニアへ
第八章 ショーほどステキなショーバイはない見世物稼業常世賑
河原者の輝き/竹田は西から東へ/曲独楽の舞台に弓引き人形/香具渡世が海を渡る
第九章 旅の記録
マジシャンたちの国際交流/生粋の日本人の村
第一〇章 マジックコレクターの系譜
「サロンの発祥」の要点/ドクター・フッカー小伝
第一一章 一万ドルの挑戦状
紙焼きを調べた/CMSへの最終リスト/もう一台のアーチャー
第一二章 からくり人形のオタクたち
ロイの青春/熱いオタクに周囲は冷たい/〝仕込み〟こそ楽しいのに/河原者の末裔
終 章 辺境の文化
本書で述べた主な歴史的人物(五十音順)
参考文献
索引
ISBN:9784585320319
。出版社:勉誠社
。判型:A5
。ページ数:400ページ
。定価:4500円(本体)
。発行年月日:2023年07月
。発売日:2023年07月31日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFH。