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平川祐弘決定版著作集 19

ルネサンスの詩

城と泉と旅人と

著:平川 祐弘

紙版

内容紹介

城と泉と旅人に象徴される華やかで明るいルネサンス期のイタリアとフランス。そこで生まれ、そのういういしく清新な調べが近世ヨーロッパの誕生を告げた詩人たちの肖像を綴る。優越するイタリア・ルネサンス文明に直面して苦闘するフランス詩人の「仏魂伊才」の問題を扱う。

目次

詩 CONQUISTADOR

第一部 アッシージの丘より
アッシージの聖フランチェスコ/創造讃歌(聖フランチェスコ)/花綵の蔭(ダンテ)/素晴らしい人ロレンツォ/イカルスの飛翔(サナツァーロ)/人文主義者レオナルドの箴言/ミケランジェロ詩人/ダヴィデー芸術哲学―彫刻家の嗅覚―恋愛詩―ヴィットリア・コロンナー「夜」―信仰―「生涯在鏡中」―フランチェスコ・ベルニ―人生の孤舟/ラファエルロの初恋の詩/愛(ジョルダーノ・ブルーノ)/いかに哲学すべきか(カムパネルラ)/ルイージ・アラマンニ/セーヌ川に(アラマンニ)

第二部 ロワールの野辺へ
比較文学比較文化の世紀/若くて美しい学問/コクレーの塾/七人組/燕によせる小唄(バイーフ)/友にあらまほしき美女について(ロンサール)/四月(ベロー)/一フランス官吏のローマ体験/ファウスト博士のような憧れ/古代羅馬追懐/外地での神経衰弱/すまじきものは宮仕え/法王庁への悪態/望郷/ローマ風俗/模倣と創造/ペトラルキズム是非/最高傑作、デュ・ベレーの訳詩―麦を箕で簸る人の唄―/ロンサール/小ロワールの野辺/ベルリーの泉によせる抒情小詩(ロンサール)/墓碑建立についての抒情小詩(ロンサール)/ガチーヌの森によせる抒情小詩(ロンサール)/ロンサールの館/馬鹿騒ぎバッカスの唄(ロンサール)/ポソニエール遠足行/内面派の詩人/ロンサールの日常生活/非難と中傷に答える(ロンサール)/歓喜礼讃歌(ラ・フォンテーヌ)/此世の幸福(プランタン)/サラダ(ロンサール)/ロンサール政治人/平和のすすめ(ロンサール)/ロンサールに

第三部 海こえて時代をこえて―新しい人文主義―
「生欲」/囲炉裏の火/あなたが老いて(イエイツ)/わたし小娘恋する娘(エスパニア民謡)/アンダルシア民謡(ロルカ)/婚礼祝歌(ヴァロワ民謡)/ドイツにルネサンスはあるのか?/ズライカ(ゲーテ)

書誌

著者への手紙―講談社学術文庫版への解説にかえて 仙北谷晃一
内田老鶴圃版へのあとがき(一九六一年)
沖積舎版へのあとがき(一九八二年)
沖積舎新装版へのあとがき(二〇〇四年)
第十九巻に寄せて―北国の夏の夕方
訳詩索引

著者略歴

著:平川 祐弘
1931(昭和6)年生まれ。東京大学名誉教授。比較文化史家。第一高等学校一年を経て東京大学教養学部教養学科卒業。仏、独、英、伊に留学し、東京大学教養学部に勤務。1992年定年退官。その前後、北米、フランス、中国、台湾などでも教壇に立つ。
ダンテ『神曲』の翻訳で河出文化賞(1967年)、『小泉八雲―西洋脱出の夢』『東の橘 西のオレンジ』でサントリー学芸賞(1981年)、マンゾーニ『いいなづけ』の翻訳で読売文学賞(1991年)、鷗外・漱石・諭吉などの明治日本の研究で明治村賞(1998年)、『ラフカディオ・ハーン―植民地化・キリスト教化・文明開化』で和辻哲郎文化賞(2005年)、『アーサー・ウェイリー―『源氏物語』の翻訳者』で日本エッセイスト・クラブ賞(2009年)、『西洋人の神道観―日本人のアイデンティティーを求めて』で蓮如賞(2015年)を受賞。

ISBN:9784585294191
出版社:勉誠出版
判型:A5
ページ数:312ページ
定価:4200円(本体)
発行年月日:2017年06月
発売日:2017年06月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNT