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句題詩論考

王朝漢詩とは何ぞや

著:佐藤 道生

紙版

内容紹介

かつて漢詩・漢文は国家の正統たる表現の方法として社会的ステータスを有し、作詩・作文の巧拙が出世の道を左右した。
詩を媒体とした社交の場である詩宴が天皇や貴族たちのあいだで盛んに催されるなかで、そこに自ずと規範が生み出されるに至った。
詩題の文字をそのまま用いて題意を表した後、題意を敷衍し、故事を以てなずらえ、自らの思いを伝える―平安・鎌倉期に盛行した文体「句題詩」の構成方法の確立である。
この規範の創出は、知識体系を生み出し、詩人の増加、ひいては詩宴の盛行が促進される日本文学史上の画期を作り出したのであった。
政治・文化の場にも深く関わり、他の文学ジャンルにも大きな影響を与えながらも、これまでその実態が詳らかには知られなかった句題詩の詠法を実証的に明らかにし、日本独自の文化が育んだ「知」の世界の広がりを提示する画期的論考。

著者略歴

著:佐藤 道生
慶應義塾大学文学部教授。専攻は古代・中世日本漢学。
著書に『平安後期日本漢文学の研究』(笠間書院、2003年)、『和漢朗詠集 新撰朗詠集』(柳澤良一氏と共著、和歌文学大系四七、明治書院、2011年)、『三河鳳来寺旧蔵暦応二年書写 和漢朗詠集 影印と研究』(勉誠出版、2014年)などがある。

ISBN:9784585291329
出版社:勉誠出版
判型:A5
ページ数:408ページ
定価:9500円(本体)
発行年月日:2016年11月
発売日:2016年11月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DBS
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ