男色を描く
西鶴のBLコミカライズとアジアの性
編:染谷 智幸
編:畑中 千晶
内容紹介
男色のカノン(聖典)として揚げられるがその研究が遅れている井原西鶴の小説作品『男色大鑑』。この『男色大鑑』をBL(ボーイズ・ラブ)の視点からコミカライズした作品を発端に、コミカライズの世界、BL世界からのアプローチを取り上げて、それが提起する可能性や問題を様々な角度から検討する。
また実際の問題としてのLGBTに対して、寛容な姿を見せているタイと、様々な問題提起が行われているインドなど、アジアにおいて、この男色や同性愛がどのように展開をしているのかを検討する。
目次
はじめに マイノリティが元気な国は良い国です 染谷智幸
特別寄稿◉『男色大鑑』のショーケース 篠原進
第一部……男色と古典のノベライズ・コミカライズについて
座談会◉「男色のコミカライズをめぐって」 大竹直子×斉藤由香里×畑中千晶×染谷智幸
針のある梅―ボクのために死ねますか? 早川由美
あまりにもか弱い美少年のあまりにも強い愛情―井原西鶴の「香木男色譚」二題 浜田泰彦
涙と笑いの男色セレクション―『男色大鑑』の影響下に生まれた作品より 濱口順一
アダプテーションから読む『男色大鑑』―「萌え」を共振・増幅させていく「創作」 畑中千晶
二次創作は虹創作 染谷智幸
第二部……男色とアジア文化圏
座談会◉「タイとインドの男色文化、その多様性をめぐって」
ナムティップ・メタセート×ラージ・ラキセン×坂東(丸尾)実子×畑中千晶×染谷智幸
タイにおける性的多様性と文学―男色表象からBL解釈まで ナムティップ・メタセート
タイの男色とLGBT 平松秀樹
アンコールワットの二形 染谷智幸
〈鳥〉の文学―渇望される〈自由〉の時代的変化とLGBT文学 坂東(丸尾)実子
「同志」と「腐女」と「13 L」―『盗墓筆記』の成功と中国BL創作事情 瀧下彩子
おわりに 男色、BL、アジアの〈性〉―〈過剰なる情熱〉のありかをめぐって 畑中千晶
執筆者一覧
ISBN:9784585230588
。出版社:勉誠出版
。判型:A5
。ページ数:240ページ
。定価:2200円(本体)
。発行年月日:2017年08月
。発売日:2017年08月31日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC。