アジア遊学 216
日本文学の翻訳と流通
編:河野 至恩
編:村井 則子
内容紹介
その過程を「翻訳」「流通」をキーワードから探り、日本文学の海外受容史を読み直し、その解釈の新たな可能性を提示する。近年の比較文学・日本文学研究の動向も踏まえつつ、19世紀後半~20世紀前半の具体的な受容を通して、日本文学の世界での展開と世界的な枠組みから読み直しを目指す。
目次
はじめに 河野至恩
Ⅰ 日本文学翻訳の出発とその展開
日本文学の発見―和文英訳黎明期に関する試論 マイケル・エメリック(長瀬海 訳)
一九一〇年代における英語圏の日本近代文学―光井・シンクレア訳『其面影』をめぐって 河野至恩
日本文学の翻訳に求められたもの―グレン・ショー翻訳、菊池寛戯曲の流通・書評・上演をめぐって 鈴木暁世
Ⅱ 俳句・haikuの詩学と世界文学
拡大される俳句の詩的可能性―世紀転換期西洋と日本における新たな俳句鑑賞の出現 前島志保
最初の考えが最良の考え―ケルアックの『メキシコシティ・ブルース』における俳句の詩学
ジェフリー・ジョンソン(赤木大介/河野至恩 訳)
Ⅲ 生成する日本・東洋・アジア
義経=ジンギスカン説の輸出と逆輸入―黄禍と興亜のあいだで 橋本順光
反転する眼差し―ヨネ・ノグチの日本文学・文化論 中地幸
翻訳により生まれた作家―昭和一〇年代の日本における「岡倉天心」の創出と受容 村井則子
Ⅳ 二〇世紀北東アジアと翻訳の諸相
ユートピアへの迂回路―魯迅・周作人・武者小路実篤と『新青年』における青年たちの夢
アンジェラ・ユー(A・ユー/竹井仁志 訳)
朝鮮伝統文芸の日本語翻訳と玄鎭健の『無影塔』における民族意識 金孝順
ミハイル・グリゴーリエフと満鉄のロシア語出版物 沢田和彦
Ⅴ 〈帝国〉の書物流通
マリヤンの本を追って―帝国の書物ネットワークと空間支配 日比嘉高
日本占領下インドネシアの日本語文庫構築と翻訳事業 和田敦彦
ISBN:9784585226826
。出版社:勉誠出版
。判型:A5
。ページ数:288ページ
。定価:2800円(本体)
。発行年月日:2017年12月
。発売日:2017年12月31日。