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土地の記憶から読み解く早稲田

江戸・東京のなかの小宇宙

著:ローザ・カーロリ
訳:大内 紀彦
訳:フィリッポ・ドルネッティ

紙版

内容紹介

大都市東京の周縁、早稲田界隈。
低地と台地と、多くの坂に形どられたこの地を歩き続けた一人のイタリア人研究者がいた。
神田川・東京専門学校・尾張藩下屋敷・穴八幡宮・胸突坂・夏目漱石・椿山荘―
過去と現在、様々な学問領域を横断する自在な構想力で、古代・中世・近世に遡る土地の基層を掘り起こし、早稲田という「小宇宙(ミクロコスモ)」から、江戸・東京という「大宇宙(マクロコスモ)」を描く。
膨大な文献・史料・地図の博捜と現地踏査から土地の文化的・歴史的価値を発見する、もうひとつの江戸・東京学。

『東京の空間人類学』著者、ブラタモリでもおなじみ、陣内秀信先生推薦!

目次

読書案内(陣内秀信)

まえがき

序論

第1章 井の頭から江戸の井戸まで―神田川と水都としての江戸の発展
・神田川と早稲田―「早稲が植えられた田」―
・太田道灌と神田川
・徳川幕府の成立と江戸の発展
・「水の都」としての江戸と神田上水

第2章 江戸から大江戸へ―振袖火事と早稲田界隈の下屋敷の誕生
・明暦の大火と江戸の展開
・下屋敷の誕生
・戸山の尾張藩下屋敷とその周辺 
・下戸塚の屋敷と聖なる空間
・高田の馬場

第3章 椿の山―神田川の北側
・熊本藩細川家の下屋敷の変遷―幕末から明治維新へ―
・山県有朋の邸宅―椿山荘―
・椿山荘の西隣り
・胸突坂―駒塚橋まで続く急こう配―

第4章 早稲田
・大隈重信と早稲田の邸宅
・東京専門学校から早稲田大学へ
・早稲田界隈の発展

訳者あとがき(大内紀彦)
謝辞(著者・訳者)
主要参考文献

著者略歴

著:ローザ・カーロリ
ローザ・カーロリ。1960年生まれ。ヴェネツィア「カ・フォスカリ」大学教授。専門は、日本近現代史、沖縄史、江戸・東京の都市史。日本語の主要論文に「この都市を歩く―江戸東京における時間・空間・モダニティ」(『新・江戸東京研究 近代を相対化する都市の未来』法政大学出版局、2019年)、「国宝『琉球国王尚家関係資料』 の旅」(『沖縄文化』(第119号)2016二年)、「抵抗と同化のはざま─尚泰の場合」 (『想像の沖縄―その時空間からの挑戦』新宿書房、2015年)、「紛争のアイデンティティ―伊波普猷と柳田国男の思考における沖縄人」(『国際日本学研究叢書16』2012年)、「オリエントのオリエントへ―情報革命とグローバル化の時代における沖縄史を歩む」(『沖縄文化』(第109号)2011年)などがある。
訳:大内 紀彦
大内紀彦。1976年生まれ。ヴェネツィア「カ・フォスカリ」大学大学院修了。特別支援学校教員。専門は、日伊文化交流史、特別支援教育。訳書に『精神病院のない社会をめざして バザーリア伝』(共訳、岩波書店、2016年)、『バザーリア講演録 自由こそ治療だ!―イタリア精神保健ことはじめ』(共訳、岩波書店、2017年)、主要論文に「ラグーザ・玉の発見と日本への帰国」(『イタリア図書』(第48号)2013年)などがある。
訳:フィリッポ・ドルネッティ
フィリッポ・ドルネッティ。1978年生まれ。慶応義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。訪問研究員および兼任講師。専門は経済史。主要論文に“Fra Contadini di Errico Malatesta, da Firenze a Tokyo” (Annali Ca’Foscari. Serie orientale, n.56, 2020)、「近代中国東北部における地方水利組織(一九一三~一九四三)」(『三田学会雑誌』(第111巻)第2号、2018年)などがある。

ISBN:9784585222996
出版社:勉誠出版
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年03月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ-JP-C