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アメリカは自己啓発本でできている

ベストセラーからひもとく

著:尾崎 俊介

紙版

内容紹介

「なまじの利口にゃわからない。さりとて阿呆では読み取れない。知の遊園地のような本です。」
――糸井重里さん推薦!!

アメリカンドリーム、スピリチュアル、宗教的熱狂、超健康志向、ポジティブ思考……。
建国の父フランクリン『自伝』からはじまる自己啓発本のベストセラーから見えるアメリカ。

■おもな内容
1. 自己啓発思想の誕生
厳格なカルヴァン主義ピューリタニズムの縛り/天国=現世において抱く幸福感/自己啓発本の王道「努力して成功する」
フランクリン『フランクリン自伝』、カーネギー『カーネギー自伝』、コヴィー『完訳7つの習慣』ほか

2. 引き寄せ系自己啓発本の誕生
「宇宙」エネルギーの登場/資本主義の欲望は「神の意志」/ 自分を変えれば世界が変わる「インサイド・アウト」
アレン『「原因」と「結果」の法則』、アトキンソン『引き寄せの法則』ほか

3. ポジティブであること
牧師によるポジティブ・シンキングの福音/「ポジティブ= 個人の結果責任」への転化/それでも人は、楽天的な方がいい?
ピール『積極的考え方の力』、ジョンソン『チーズはどこへ消えた?』ほか

4.「お金持ちになろう!」アメリカの成功哲学
「金持ち指南」の自己啓発本/アメリカ流現実主義「セールスマンになれ!」/この世のすべては「売り物」である
コンウェル『ダイヤモンドを探せ』、オグ・マンディーノ『世界最強の商人』ほか

5. 年長者が人生を説く父から息子への手紙
18世紀イギリス貴族の父から息子への手紙/なぜ父は息子・娘に手紙を書くのか
ウォード『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』ほか

6. 日めくり式自己啓発本
ウーマン・リブ時代の日めくり式自己啓発本/シンプルな豊かさを求める
フランクリン『プーア・リチャードの暦』、ガーウェイン『マインド・カレンダー』ほか

7. スポーツ界の自己啓発本
立身出世からダイエットへの転換/ジョギング・ワークアウトの登場/ビジネス・コーチング系自己啓発本の登場
ジェーン・フォンダ『ジェーン・フォンダのワークアウト』、ガルウェイ『インナーゲーム』、ほか

8. 自己啓発本界のトホホな面々

コラム
日本版 父から息子への手紙『君たちはどう生きるか』
日本の日めくり式自己啓発本の傑作『日めくり まいにち、修造!』
日本のサッカー/野球系自己啓発本 ほか

付:年表〈アメリカ・日本の自己啓発本〉

著者略歴

著:尾崎 俊介
1963年神奈川県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻後期博士課程単位取得。現在、愛知教育大学教授。専門はアメリカ文学・アメリカ文化。著書に『紙表紙の誘惑』(研究社)、『アメリカをネタに卒論を書こう!』(愛知教育大学出版会)、『S先生のこと』(新宿書房、第61回日本エッセイスト・クラブ賞)、『ホールデンの肖像』(新宿書房)、共著に『アメリカ文化史入門』(昭和堂)、『英語の裏ワザ』(愛知教育大学出版会)などがある。

ISBN:9784582839494
出版社:平凡社
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2024年02月
発売日:2024年02月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDX