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レジリエンス研究

レジリエンス思考に基づくソーシャルワーク

著:秋山 薊二
編:中村 和彦

紙版

内容紹介

レジリエンス理念に基づくソーシャルワークの方法と実践について、基本概念と理論に関する内外の研究史の整理と、東日本大震災と大人のひきこもり問題の事例をもとに論じる。

目次

第Ⅰ部 概念と理論
 第1章 レジリエンスの基礎概念
  第1節 レジリエンスの起源と進展
   1 レジリエンス、言葉の起源
   2 科学としてのレジリエンスの歴史
   3 人間科学としてのレジリエンスの歴史
   4 日本におけるレジリエンスの由来と研究の流れ
   5 レジリエンスのカタカナ表記の問題
  第2節 レジリエンスの科学化への道(調査)
   1 初期の研究・調査の端緒
   2 初期の主要な研究
   3 初期研究から先端研究へ
   4 ソーシャルワークの疾病モデルと健康モデルとレジリエンスのポジティブな形態表徴
   5 心理学におけるポジティブな形態表徴とレジリエンス
  第3節 初期研究者のレジリエンス概念
   1 初期研究者のレジリエンス概念
   2 レジリエンス研究におけるパーソナリティー要因
   3 レジリエンスのメカニズム
   4 レジリエンスの分野の広がりと用語
  第4節 レジリエンスの構造と枠組み
   1 レジリエンスにおける逆境とは何か
   2 レジリエンスにおける「ポジティブな適応(positive adaptation)」とは何か
   3 保護要因(protective factor)、リスクと脆弱性(vulnerability)について
  第5節 レジリエンスの定義の変遷
   1 子ども中心のレジリエンス
   2 人とシステムのレジリエンス
   3 社会、人と環境のレジリエンス
   4 コミュニティ(地域)のレジリエンス
 第2章 レジリエンスの理念とソーシャルワーク
  第1節 レジリエンスの基本理念(健康モデル、サルトジェネシス)
   1 サルトジェネシス(salutogenesis:健康生成論)とソーシャルワーク
   2 レジリエンスとストレングス
  第2節 レジリエンスによるソーシャルワーク実践の理念(人と環境から、深層生態学)
   1 ソーシャルワークにおける人と環境への道
   2 レジリエンスを生み出す人の要因とソーシャルワーク
   3 レジリエンスの内的保護要因とソーシャルワーク
   4 レジリエンスによるソーシャルワークの主体性と自発性
   まとめ
  第3節 レジリエンスと社会生態学
   1 社会生態学に至るレジリエンスの展開
   2 レジリエンスによる社会生態学と場の理論
   3 社会生態学による四つの原則(特性)
  第4節 ソーシャルワークとレジリエンスの対象システム(対象と五つのシステム)
   1 レジリエンスにおけるリスク要因と保護要因
   2 レジリエンスを使ったBegunによるソーシャルワークの支援過程のモデル、五つの過程
   3 日本のソーシャルワークにおける対象のシステム設定
  第5節 対象システムのサイズによるレジリエンスとソーシャルワーク(レジリエンス・ソーシャルワーク)
   1 ミクロシステムとしての子どもと個人を対象としたレジリエンス
   2 メゾシステムとしての家族のレジリエンス
   3 地域を対象にしたレジリエンス:コミュニティ・レジリエンスと地域福祉
   4 コミュニティ・レジリエンスの定義の諸相
   5 コミュニティ・レジリエンスを導く方法
  第6節 レジリエンスに基づくソーシャルワークの基本実践スキル
   1 保護要因とリスク要因、リスク要因の査定(アセスメント)
   2 保護要因とレジリエンスの促進
   3 レジリエンス促進の方法

第Ⅱ部 方法と実践
 第3章 レジリエンスとソーシャルワーク
  第1節 システム論、生態学、社会生態学の視点
   1 システム論
   2 生態学
   3 エコシステム論
   4 社会生態学
  第2節 社会生態学に立つレジリエンスとソーシャルワーク
   1 社会生態とレジリエンス
   2 社会生態とソーシャルワーク
  第3節 レジリエンスを目指すソーシャルワーク
   1 ソーシャルワークの流れ
   2 エコロジカル・システム論とソーシャルワーク
   3 レジリエンスとソーシャルワークの関連性
  第4節 レジリエンス思考とソーシャルワーク
   1 レジリエンス思考に至るソーシャルワーク論の基礎
   2 レジリエンス思考
   3 レジリエンス思考から学ぶソーシャルワーク
  第5節 ジェネラル・ソーシャルワーク、グリーンソーシャルワークとレジリエンス
   1 ジェネラル・ソーシャルワーク(ジェネラリスト・ソーシャルワーク)
   2 グリーンソーシャルワークとレジリエンス
 第4章 レジリエンスの促進を目指すソーシャルワークの実践プロセスとスキル
  第1節 レジリエンスを生み出すためのソーシャルワークの過程展開
   1 アセスメント
   2 計画策定
   3 計画の実施と変化を作り出す支援
   4 事後評価・学習:持続と進歩の確認と予防措置
  第2節 レジリエンスに関わる事例1:東日本大震災(大津波)による人的被害を防いだ地域のレジリエンス
   1 はじめに
   2 東日本大震災による大津波
   3 東日本大震災による大津波:岩手県沿岸部においてレジリエンスを発揮した地域
  第3節 レジリエンスに関わる事例2:「大人のひきこもり」を解消する地域と人のレジリエンス
   1 はじめに
   2 「ひきこもり者」の力を引き出し、「ひきこもり」問題の解決に取り組みレジリエンス促進を図る地域

著者略歴

著:秋山 薊二
※初版刊行時のものです
秋山薊二(あきやま・けいじ)
関東学院大学文学部社会学科教授を経て、現在、関東学院大学名誉教授
[専門]ソーシャルワーク論
[著書]
『ソーシャル・ワーク――過程とその展開』(共著、海声社)
『ジェネラル・ソーシャルワーク』(共編著、光生館)
『教育研究とエビデンス』(共著、国立教育政策研究所編纂、明石書店) その他
編:中村 和彦
※初版刊行時のものです
中村和彦(なかむら・かずひこ)
広島文教大学、北翔大学等を経て、現在、北星学園大学社会福祉学部教授、副学長
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟会長 その他
[専門]ソーシャルワーク実践理論、精神保健ソーシャルワーク
[著書]
『人間福祉学入門』(共編著、北大路書房)
『エコシステム構想によるソーシャルワーク実践教育の展開――精神保健ソーシャルワーカー養成と包括・統合ソーシャルワーク』(単著、北大路書房)
『対論 社会福祉学』(共著、日本社会福祉学会編、中央法規出版) その他

ISBN:9784571420801
出版社:福村出版
判型:A5
ページ数:302ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2023年12月
発売日:2023年12月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS