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STS(系統的心理療法選択)にもとづくセラピー

クライエントに適合する心理療法選択のためのガイドブック

著:ラリー・エドワード・ビュートラ
著:T・マーク・ハーウッド
監:青木 紀久代

紙版

内容紹介

アメリカにおける膨大な研究論文の徹底的レビューから導かれたSTS(系統的心理療法選択)理論。「実際に機能する」「効果が得られる」介入選択法を共同研究者が日本に初紹介。

目次

日本語版まえがき
筆者のことば

第1部 導 入
 第1章 STS(系統的心理療法選択)にもとづくセラピーとは
  背景と意義
  トレーニングと実践を強化するための治療手引の使用
  STS(系統的心理療法選択)にもとづくセラピー
   系統的心理療法選択(STS)の基本
   STS(系統的心理療法選択)にもとづくセラピーの指導目的
  クライエントに適合する治療の次元
   理論間を横断するアプローチ
   特定のクライエント特性
  STS(系統的心理療法選択)にもとづくセラピーにおけるトレーニングの治療原則、戦略、技法について
  結論として
 第2章 トレーニングの目的と論理
  STS(系統的心理療法選択)にもとづくセラピーのトレーニングにおける基本
   セラピストとしてのスキルの向上
  心理療法のトレーニングへの適用
   大学院レベルのトレーニング
   ポストドクター、専門家への上級トレーニング
  治療原則、戦略、および技法
  まとめ
 第3章 クライエントの評価
  評価の目的
  測定の手順
   目的1~3:診断と医療の適格性、リスク行動、治療前の症状と欠損
   目的4:クライエントの機能障害のレベル
   目的5:クライエントの衝動性と外向型対処のレベル
   目的6:クライエントの対人抵抗のレベル
   目的7:クライエントの主観的な心理的苦痛と問題の重症度のレベル
   目的8:作業同盟(臨床家とクライエント)と治療のアウトカムの質を評価
  治療決定へのポイント
   情動の状態と永続的な特性との関係
  終わりの解説

第2部 治療原則という戦略
 第4章 治療関係の構築
  治療原則
  指標となる手掛かり
  治療への共同目的と期待を育てる
   治療前準備の技法
   共同言語を開発するための技法
   クライエントの許可を取得する技法
  治療関係の円滑化
   治療関係を深める技法
   一般的な技法
   特別な言語的技法と手順
  治療関係の質の評価
  終わりの解説
 第5章 クライエントの機能障害と対処スタイルのレベルに適合する介入:パート1
  対処スタイルの性質
  STS(系統的心理療法選択)にもとづくセラピーの治療原則
  指標への手掛かり
   機能障害
   対処スタイル
  クライエントの機能障害レベルに治療を適合させる
  クライエントの対処スタイルに治療を適合させる戦略
 第6章 クライエントの機能障害と対処スタイルのレベルに適合する介入:パート2
  戦略と手順
   外的症状の直接的変化
   間接的手順と戦略
  治療を対処スタイルに適合させるセラピストのスキルを評価する
 第7章 クライエントの抵抗レベルに適合する介入
  STS(系統的心理療法選択)にもとづくセラピーの治療原則
  指標への手掛かり
  治療をクライエントの抵抗に適合させるための戦略
  技法と手順
   抵抗の低いクライエントへの治療
   抵抗の高いクライエントへの治療
  クライエントの抵抗に治療を適合させるセラピストのスキルを評価する
   指示的介入
   非指示的介入
 第8章 クライエントの苦悩と機能障害のレベルに適合する介入
  さまざまな情動的体験
  治療原則
  指標への手掛かり
  クライエントの情動喚起のレベルに治療を適合させるための戦略
  戦略と手順
   主観的苦痛のあるクライエントへの治療
   無気力なクライエントへの治療
  クライエントの情動的苦痛に治療を適合させるスキルの評価
 第9章 要約と結論
   治療関係の治療原則
   治療レベルの治療原則
   個別的配慮のある治療原則
  臨床ケースA
   機能障害
   対処スタイル
   抵抗のレベル
   心理的苦痛のレベル
   STS(系統的心理療法選択)にもとづくセラピーへのセラピストの順守度の評価
  セラピストの総合的なスキル評価
  最後の所見

資料A STSにもとづくセラピープロセス尺度
資料B STSにもとづくセラピーアドへランス(取り組み)尺度
資料C クライエントの情動喚起尺度

[原題]Prescriptive psychotherapy: A practical guide to systematic treatment selection, first edition

著者略歴

著:ラリー・エドワード・ビュートラ
※初版刊行時のものです
ラリー・エドワード・ビュートラ(Larry Edward Beutler)
ネブラスカ大学で博士号を取得後、デューク大学医療センター、スティーブン・F・オースティン州立大学、ベイラー医科大学、アリゾナ大学健康科学センター、カリフォルニア大学サンタバーバラ校で教壇に立ち、パロアルト大学の心理学の名誉教授として学部長、臨床研修所の所長を歴任。カリフォルニア大学サンタバーバラ校名誉教授、パロアルト大学特別名誉教授。米国専門心理認定機関(ABPP)の臨床心理学の有資格者で、米国心理学会(APA)と科学的心理学会(APS)の特別会員。APA臨床心理学部と臨床心理研究学部の前会長で、心理療法研究学会(SPR)会長を2期務めた。卓越した経歴賞(SPR)、金メダル賞と成功に対する会長賞(APA)ほか受賞。Journal of Clinical PsychologyとJournal of Consulting Clinical Psychologyの元編集長で、500以上の学術論文と章を発表。心理療法、心理検査、精神病理学に関する23冊の本の著者または共著者である。
著:T・マーク・ハーウッド
※初版刊行時のものです
T・マーク・ハーウッド(T. Mark Harwood)
カリフォルニア大学サンタバーバラ校で博士号を取得した。パロアルト退役軍人医療センターの神経心理学(脳損傷リハビリテーション科)、重度の精神病理学(スタンフォード統合失調症研究科)、老齢心理学(老齢者外来センター)でインターンシップ。カリフォルニア大学サンタバーバラ校でポストドクター研究員修了。在学中の4年間、米国国立薬物乱用研究所によるビュートラ博士への多額の助成金の、プロジェクトコーディネーターと心理療法研究プログラムの副主幹を務めた。同大学の研究教員となってからは複合心理学の博士課程の講師として精神薬理学、神経解剖学とその行動相関、精神障害の診断、性療法、薬物乱用、心理検査(認知と人格)、法医学心理学、異常心理学を教えた。その後ウィートンカレッジで臨床心理学博士課程の臨床トレーニングのディレクターと教員を務め、現在はイリノイ州セントチャールズで個人開業している。
監:青木 紀久代
※初版刊行時のものです
青木紀久代(あおき・きくよ)
東京都立大学にて博士(心理学)号を取得。臨床心理士。公認心理師。専門は、生涯発達臨床心理学。東京都立大学専任助手、同大学心理相談室主任、お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科准教授などを経て、現在社会福祉法人真生会理事長並びに同法人白百合心理・社会福祉研究所所長。
 心の問題を生涯発達的な視点からアプローチする。臨床心理士として、心療内科で摂食障害等の心理臨床からスタートし、子どもと家族、保育、社会的養護の分野で長らく心理臨床を実践。現在乳児院における親子の関係再構築支援について、臨床的な研究を行っている。

ISBN:9784571241086
出版社:福村出版
判型:A5
ページ数:272ページ
定価:5500円(本体)
発行年月日:2023年09月
発売日:2023年09月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM