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アピアランス〈外見〉問題と包括的ケア構築の試み

医療福祉連携と心理学領域とのコラボレーション

編:原田輝一
編:真覚健

紙版

内容紹介

熱傷やがんなどの疾患や先天的要因による複雑かつ多岐にわたる〈外見〉問題の包括的ケア実現に向け、医学・心理学の両面から基礎と臨床実践について解説した初のテキスト!

目次

序章 概 説
 1 なぜ今、アピアランス〈外見〉問題なのか?
 2 用語について
 3 歴 史
 4 理論・モデル・枠組み・測定ツール
 5 認知的・行動的問題
 6 介入枠組みとしての段階的ケア
 7 今後の課題

第1章 包括的ケアの理解と実際
 第1節 外見認知の特性と可視的差異
  1 顔に対する認知特性と可視的差異への示唆
  2 顔についての魅力研究とVD
  3 VDの顔における微笑み表出の効果
  4 まとめ
 第2節 ケアの実際:アセスメント/SST/認知行動療法
  1 アセスメント
  2 ソーシャルスキル・トレーニングによる支援
  3 認知行動療法による支援
  4 今後の課題
 第3節 ケアの補完的資源:当事者組織(エンパワメント)
  1 顔に関するSHGのいろいろ
  2 SHGが達成する成果
  3 SHGが援助形態として機能する4つの柱
  4 専門職との関係に焦点を当てたSHGの形態
 第4節 支援スキル:支援としてのメーキャップ
  1 メーキャップとは、化粧とは
  2 化粧療法の誕生
  3 さまざまな実践
  4 今後の課題

第2章 医学的解説
 第1節 状態別解説(可視的差異あり)
  1 先天性の状態(主として頭蓋顔面領域)
  2 後天性の状態
 第2節 醜形障害の鑑別と治療(可視的差異なし)
  1 はじめに
  2 醜形障害とは
  3 DSM-5における醜形障害の診断基準
  4 これまでのDSM-IV-TRからの進展
  5 醜形障害の疫学や予後、併存症など
  6 鑑別診断と病識
  7 文化的な側面、対人恐怖症との関連
  8 治療(主に薬物療法)

第3章 口唇口蓋裂・頭蓋顎顔面領域での問題と包括的ケア
 第1節 基 礎
  1 はじめに
  2 出生前診断
  3 出生後~幼少期
  4 児童期
  5 青年期
  6 イギリス圏における口唇口蓋裂・頭蓋顎顔面領域の動向
 第2節 実 際
  1 東北大学病院唇顎口蓋裂センター設立の経緯
  2 心理外来の支援体制
  3 心理外来での支援実績
  4 支援提供における課題

第4章 熱傷・外傷領域での問題と包括的ケア
 第1節 基 礎
  1 精神科的症状表現
  2 熱傷患者がたどる長期の過程
 第2節 実 際(急性期を中心に)
  1 熱傷の心理的適応段階
  2 早期介入の必要性
  3 実際の介入
  4 チーム医療
 第3節 実 際(回復期を中心に)
  1 はじめに
  2 急性期の問題
  3 回復期・リハビリテーション期の問題
  4 退院後、社会復帰前の問題
  5 急性期でできること
  6 回復期・リハビリテーション期でできること
  7 実例(回復期で発症したPTSD)

第5章 がん領域での問題と包括的ケア
 第1節 基 礎
  1 はじめに
  2 背 景
  3 現 状
  4 症 状
  5 支援・介入の前に
  6 支援の実際
 第2節 実 際
  1 はじめに
  2 支援に際して基本となる考え方
  3 個別支援の4段階ステップ
  4 代表的症状別ケア
  5 その他の関連トピック

第6章 社会文化的アプローチ:チェンジング・フェイスによる「顔の平等」キャンペーン
 1 用語について
 2 チェンジング・フェイスの設立経緯と主要プログラム
 3 チェンジング・フェイスは何をするのか?
 4 「顔の平等」キャンペーン活動の起源と活動
 5 Face Equality Dayを創設するために何をしたか?
 解 説

第7章 今後の課題(対談)
 第1節 社会文化へのアプローチについて――「見せる文化」と「読ませる文化」との差異
  日本は相手に「読ませる文化」
  メディアの影響とメディアへの影響
  社会における相互的理解をめぐって
  相互的理解を促進させるもの
 第2節 現場へのアプローチについて――CBTの有効性を軸にした、心理と医療の連携(コラボレーション)
  CBTの普及状況
  アピアランス〈外見〉問題とCBT
  臨床から社会への情報発信

ISBN:9784571240683
出版社:福村出版
判型:A5
ページ数:262ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2018年05月
発売日:2018年05月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MB