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PHP新書

人口からみた宗教の世界史

ユダヤ教・キリスト教・イスラムの興亡

著:宮田 律

紙版

内容紹介

なぜ古代にはキリスト教徒が、中世にはムスリムが増えたのか。そして、キリスト教とイスラムの何が人々を惹きつけたのか。
当初、ローマ帝国で迫害されたキリスト教はその後、国教化で信徒が急増。一方、イスラムもウマイヤ朝時代には世界の3人に1人がムスリムとなった。この2つの宗教が拡大した要因は、「女性」や「平等」にあるという。現在、ムスリムの増加率は70%で今世紀末にはイスラムが世界最大の宗教となる。その時、世界の価値観はどう変わっていくのか?
本書では、世界の宗教人口の推移やその背景となった要因を明らかにするとともに、今後世界でムスリム人口がいかに増えていくかを予想する。ヒトラーのナチス政権、また欧米やイスラエルの極右が考えるような一国家は一民族によって成り立つという「国民国家(ネーション・ステート)」の考えから国内の「異分子」を完全に排除することなどは現代世界では不可能であり、異なる文化をもった人々を円滑に取り込まなくてはならないことを、人口統計などを紹介することによって明らかにする。また、人口の動態変化にともなう宗教の相互作用がどのような学芸、文化を創り出したのか、あるいは政治的な衝突や対立を招いたのかを探り、さらに宗教人口の変化が今後どのように世界、あるいは日本に影響を及ぼしていくか、また日本の異文化との接触のあり方を考えたいと思う。(本書「はじめに」より)
●Ⅰ 初期キリスト教の人口増加
●Ⅱ イスラム人口はなぜ増加したか
●Ⅲ 中世・近世のヨーロッパ・キリスト教世界の人口動態
●Ⅳ イスラム世界を逆転したキリスト教徒の人口増加
●Ⅴ ヨーロッパ・ナショナリズムと宗教
●Ⅵ 宗教がせめぎ合うアメリカ大陸
●Ⅶ 増加する世界のムスリム人口
●Ⅷ 現代世界の宗教人口の検討

著者略歴

著:宮田 律
1955年、山梨県生まれ。一般社団法人・現代イスラム研究センター理事長。慶應義塾大学文学部史学科東洋史専攻卒。1983年、同大学大学院文学研究科史学専攻を修了後、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。1987年、静岡県立大学に勤務し、中東アフリカ論や国際政治学を担当。2012年3月、現代イスラム研究センターを創設。専門は、イスラム地域の政治および国際関係。著書に『イラン』『イスラムがヨーロッパ世界を創造した』(以上、光文社新書)、『物語 イランの歴史』『中東イスラーム民族史』(以上、中公新書)、『現代イスラムの潮流』(集英社新書)、『イスラム唯一の希望の国 日本』(PHP新書)などがある。

ISBN:9784569855165
出版社:PHP研究所
判型:新書
ページ数:280ページ
定価:1150円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRM
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QRAX