図説『古事記』の真実
古伝との読み比べで発見する!
監:瀧音 能之
紙版
内容紹介
有名な「国生み神話」で、イザナキとイザナミは天浮橋に立って矛をさし降ろし、海水をかき回す。では、この天浮橋とはどのようなものか? 天と地の間にかかるのだから、はしご状のもの? それとも宙に浮かぶ桟橋状のもの?▼『古事記』だけではわからないこの疑問も、他の史料にヒントとなる記述がある。例えば『丹後国風土記』には、イザナキがイザナミに会うために立てかけていた橋が倒れて天橋立になったとある。また『播磨国風土記』には、かつてこの橋を多くの人が上り下りしたとある。つまり、はしご説を支持するものだ。▼また『古事記』で悲劇の皇子として描かれるヤマトタケルは、『阿波国風土記』や『常陸国風土記』でははっきり天皇と記されている。これはどう解釈したらよいのか。▼このように『古事記』以外の史料(古伝)と読み比べると、思わぬ発見がある。『古事記』編纂者の意図や意外な真実を知ることができる、知的興奮に満ちた一書。