「うま味」を発見した男
小説・池田菊苗
著:上山 明博
紙版
内容紹介
日本人なら誰もが知っている調味料「味の素」。いまや日本にとどまらず、世界中で大ヒット商品となっているこの「味の素」誕生の陰には、一人の科学者と夏目漱石との友情があった。▼旧薩摩藩士の家に生まれた池田菊苗は、化学の道を志し、ロンドンへと留学する。そこで若き日の夏目漱石と出会い、刺激し合うことによって、二人はお互いの進むべき道を強く踏み出していくのだった。▼日本人の栄養状態を改善し、食事を豊かにしたいという願いに挑み続けた菊苗は、ついに甘・辛・酸・苦とは別の、「うま味」という味覚が存在することを発見。妻とともに幾多の苦難を乗り越えて、その結晶化に成功するのだが、そこから「味の素」が世に認められるには、さらなる試練が菊苗を待ち受けていたのだった……。▼第五の味覚「うま味」を世界で初めて発見し、「味の素」が生まれるきっかけとなった化学者の波瀾万丈の生涯を描く、感動の評伝小説。