孫子伝
著:塚本 靑史
紙版
内容紹介
古今随一の兵法書と言われる『孫子』。『三国志』で活躍する曹操、戦国武将・武田信玄から、現代の経営者・ビル・ゲイツや孫正義に至るまで、孫子の教えに傾倒する人物は数多い。本書は、この不朽の名作『孫子』を著した人間・孫子=孫武と考え、その型破りな生涯に迫った一代記である。▼舞台は春秋末期(前6世紀後半)。呉楚の睨み合いが続く古代中国で、斉出身の孫武は呉へ兵法家として赴く。その間に戦いの極意を記した名著を生み出すが、前506年を最後に一切の檜舞台を伍子胥に明け渡す形で姿を消すのである。孫武とは一体どんな男だったのか。呉の王族で仕掛け人の季札、策士・伍子胥や范蠡と、どう絡み合っていたのか。資料はほとんどなく、作家の創造力が大いに期待されるところである。▼人間・孫子を描いた名作と言われる海音寺潮五郎の『孫子』に対し、気鋭の作家・塚本靑史はどんな物語を紡ぎ出したのか。この夏注目の一冊になること間違いない。
目次
●第一章 古戦場周遊 前(535~530)年 ●第二章 斉臨淄塾(せいりんしじゅく) 前(529~524)年 ●第三章 兵法家(ひょうほうか) 前(523~518)年 ●第四章 招聘 前(517~512)年 ●第五章 呉 前(512~506)年