知られざる歴史的壮挙というべき大旅行がある。「岩倉使節団」の物語である。▼明治4年11月、廃藩置県という大変革を強行してからわずか4カ月後、明治新政府の首班である右大臣岩倉具視が率いる使節団が欧米諸国を目指して横浜港を出発した。従うは大久保利通、木戸孝允、伊藤博文ら、錚々たるメンバーである。幕末に条約を結んだ米欧12カ国へ、1年9カ月余りにも及ぶグランドツアーである。▼しかし、なぜこの大視察旅行が企てられたのか。使節団は異国の地でどんな体験をしたのか。欧米人を驚嘆させた明治のサムライの高い志とは何だったのか。そしてこの視察は日本に何をもたらしたのか。▼本書では、近代日本の針路を決めるべく、「気概」を持って世界へと旅だった岩倉使節団の物語を鮮やかに描き出す。方向性を見失い、自信をなくしている我々は、いまこそ明治創業時の誇り高き日本人から、サムライマインドを学ばなければいけない。