出版社を探す

西洋音楽から見たニッポン

俳句は四・四・四

著:石井 宏

紙版

内容紹介

雪は静かにしんしんと降り積み、夜は静寂に包まれている――。こうした雪の持つ「音のない世界」を表現するために、日本人は、低く、くぐもった「ドン・ドン・ドン」という太鼓の連打を発明した。きわめて無機的に、機械的な単調さで、平坦に鳴らされるその音は、音を使って、「音のない静寂の空間」を心の中に出現させてくれる。「音のない世界を、音で描く」という発想は、西洋人の合理主義からはけっして生まれてこない。すべては東洋人の直観ないし直感の賜物である――と著者は説く。▼西洋音楽に代表される西洋的思考と、日本語や日本音楽の持っている土壌が、いかに違うか。詳しくは本書における著者の精緻な論考に譲るが、結論的に言えば、両者はあまりにも違う土壌の上に咲いた文化であり、同一の精神構造で捉えるのは困難だということである。だが、その事実を本書の読者は確認すると同時に、日本語の美しさと日本人の感性の豊かさを再発見するだろう。

目次

●第一章 俳句は四・四・四 ●第二章 五・七調か 七・五調か ●第三章 四字読みの謎 ●第四章 音楽に国境はある ●第五章 ヒュー・ドロン・パッ ●エピローグ 

ISBN:9784569659541
出版社:PHP研究所
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2007年05月
発売日:2007年05月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVM