PHP新書
本の読み方
スロー・リーディングの実践
著:平野 啓一郎
紙版
内容紹介
本を速く読みたい!――それは忙しい現代人の切実な願いである。しかし、速読は本当に効果があるのか? 10冊の本を闇雲に読むよりも、1冊を丹念に読んだほうが、人生にとってはるかに有益ではないのか? 著者は、情報が氾濫する時代だからこそ、「スロー・リーディング」を提唱する。作家はどのように本を読んでいるのか? 本をどのように読んでほしいのか? 夏目漱石『こころ』や三島由紀夫『金閣寺』から自作の『葬送』まで、古今の名作を題材に、本の活きた知識を体得する実践的な手法の数々を紹介。読者は、教科書で読んだはずの文章であるにもかかわらず、「目から鱗が落ちる」を何度も体験するだろう。スロー・リーディングは、速読と違って特別な訓練はまったく不要。読書は工夫次第で、何倍にも楽しくなる。仕事、受験勉強、就職の面接にも効果があるし、人間関係を良好にすることができる。なにより卓越した創造性を発揮する読み方である。
目次
●序 ――本はどう読めばいいのか? ●第1部 量から質への転換を ――スロー・リーディング 基礎編 ●第2部 魅力的な「誤読」のすすめ ――スロー・リーディング テクニック編 ●第3部 古今のテクストを読む ――スロー・リーディング 実践編 ◇夏目漱石『こころ』 ◇森 鴎外『高瀬舟』 ◇カフカ『橋』 ◇三島由紀夫『金閣寺』 ◇川端康成『伊豆の踊子』 ◇金原ひとみ『蛇にピアス』 ◇平野啓一郎『葬送』 ◇フーコー『性の歴史I 知への意志』