特攻隊員たちへの鎮魂歌(レクイエム)
著:神坂 次郎
紙版
内容紹介
もしも、現代の人々が明日、国を守るために自ら生命を捧げよと命令されたら、それを受け入れる事ができる人はいるのだろうか? 生きたいと願いながらも自ら死を選ぶ恐怖を前に、飽食の時代を生きる我々には、その現実を想像することさえ容易な事ではない。▼だが、太平洋戦争末期、多くの若者たちが自ら志願し特攻隊員として青春の最中、国を護るため散っていく。彼らのなかにはすでに戦争の行く末が見えていた者もいた。しかし父や母や弟妹の幸福を願いながら、日本人の未来や運命を背負い出撃していったのである。▼飛行兵として従軍三年の著者は、戦後、特攻隊員達が残した極めて少ない資料を渉猟し、『今日われ生きてあり』と題して、ひたすら戦争に逝った若者たちの姿を書きつづけ、書き綴ってきた。本書はそのライフワークの最後の集大成である。特攻隊員達が希求した世を生きているのかという忸怩たる想いを感じながら、著者は今、ゆっくりとペンを措く。
目次
今日われ生きてあり・最後の11話 [1]日本が見えない [2]滑空飛行戦隊のゆくえ [3]最後のキャッチ・ボール [4]ノコギリ伍長の奮戦 [5]われ真珠湾上空にあり [6]空の神兵 [7]さらば 愛しの吾子よ [8]海の騎士道 [9]沖縄戦最後の特攻 [10]17歳の魚雷特攻 [11]特攻、その後 [エピローグ]魂よ還れ