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PHP新書 262

イネの文明

人類はいつ稲を手にしたか

著:佐藤 洋一郎

紙版

内容紹介

メソポタミア、エジプトをはじめ、文明を支えた食料はコムギやオオムギであり、イネは欧米の文明史観から排除されてきた。だが、貯蓄性と栄養のバランスに優れているイネ(米)こそ、人類史の主役といえないだろうか。▼稲をもつ民族は世界の五大陸すべてに分布し、稲が受け入れられた時期は紀元前にさかのぼる。稲はどの穀類よりも古くから地球をめぐり、人とともに歴史を刻んできたと言える。その栽培の仕方や食べ方、さらには儀礼や祭祀の方法をめぐって、稲は人の生活と深く結びつき、そして稲作という作業は、社会の組織化と車の両輪のように補い合いながら進化していったのだ。▼本書では、生物としてのイネの特質、主に野生イネの遺伝学的な研究成果を報告。インディカ、ジャポニカという二つの母系の存在はいかに確認されたか? また、さらに深まる起源の謎とは?▼長江に端を発する文明との関わりを追い、「稲の文明」という新しい歴史観を提示する。

目次

[第1部]イネとは何か ●第1章 文明史から排除されたイネ ●第2章 イネの登場 ●第3章 イネの直接の祖先たち ●第4章 人類、稲を手にする [第2部]稲と文明 ●第5章 稲の栽培化はどこでどう起きたか ●第6章 中国文明と穀類 ●第7章 長江文明と稲 ●第8章 インディカの起源と栽培化の歴史 [第3部]インディカとジャポニカ ●第9章 一元説から二元説へ ●第10章 野生イネを採りに ●終章 もうひとつの二元説

ISBN:9784569629803
出版社:PHP研究所
判型:新書
ページ数:224ページ
定価:680円(本体)
発行年月日:2003年07月
発売日:2003年07月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WB